2014年5月に、コロラドの自宅での模様が日本のテレビで紹
介されたようだ。
介されたようだ。
放映された内容にはだいぶ違和感があったが、いまの私は専業主
夫として、心臓外科専門の看護師として働く妻のユミをサポート
し、朝食作りから庭の芝刈りなど家事全般を担当しているのは事
実だ。
もちろん、それだけではなく、ボランティア活動などで地域の人
々との交流を楽しんでもいる。実に平均的な66歳の日常と言え
るだろう。
結婚した時、半ば冗談で、妻に「最初の25年は自分が働くから
あとの25年は君が働いてくれ」と言ったこともあったが、それ
が現実となっているのも不思議な気がする。
そのテレビ番組では、私が日本で稼いだお金は怪我の治療費でほ
とんど使い果たしてしまっていて、困窮していると曲解されて流
されていた。
例えば、引退後、膝、肩、腰など全身12か所の大手術を繰り返
し、人工関節を埋め込んだ、と。
ああ、これ、見たことあるわ。ハンセンがインタビューで、「日
本でもらったお金は、もうほとんど残っていないんだよ」って言
ってた。全日本の最強外人として君臨していたのに、そんなんし
かもらってないの~、とショックを受けたものだった。
大手術をしたのは事実であるし、確かにそのための出費も多かっ
たが、幸い個人で保険に入っていたため、自己負担は1割ぐらい
で済んだ、とのこと。
日本で稼いだお金を使い切ってしまったというのは、どこから来
た話だったのだろう。
日本人にとって保険はなじみのあるものなのだろうが、アメリカ
では国民皆保険制度が十分に確立されているわけではない。
私にしても、とても高額な保険料を10年、15年と払い続けて
いたため、結果的には支払った分を取り戻せたようなものだ。
番組内容はともかく、私の今の様子が放送されたことで、日本の
ファンの間では、「誰もあの暴走を止められなかったハンセン。
ハンセンは全力ファイトの代償で、全身ボロボロの状態になった
が、そうまでして我々ファンを楽しませてくれたのだ」など、あ
らためて私へ向けられた感謝の言葉がネットなどに広がっている
と聞いた。
私はとても嬉しく思う。
感謝への喜びだけでなく、いまなおファンの中には強いイメージ
のままの自分の姿が残っているということをだ。
現役の頃、つねに意識していたことだが、私の中に肉体的にも精
神的にも一定の基準があり、とくに肉体的には、このレベルで試
合ができなければ自分は引退する、という決め事をつくっていた。
他のレスラーの引退の仕方を否定するわけではないが、どんどん
衰えて、筋力が落ちてきているのに、それでもずっと現役を続け
ることは絶対に嫌だった。
プロレスラー、スタン・ハンセンでいる以上は、このレベルで、
それがちょっとでも出来なくなったら辞めようと決めていた。
だからファンの方も、強いままのハンセンを覚えていてくれたの
だと思う。