「独眼竜」の異名を持つ、戦国武将の伊達政宗。
秀吉や家康からも恐れられ、若くして奥州の覇者となった彼は、
もし、もう少し早く生まれていたら、天下を取っていたかもしれ
ないほどの人物だった。
これは、そんな伊達政宗のエピソードだ。
あるときのこと、伊達政宗、家に代々伝わる茶碗でお茶を飲んで
いた。
その茶碗は、高麗天目茶碗だと伝わっているので、代々伝わって
いるだけでなく、とんでもなく高価な茶碗だったのだ。
と、政宗、うっかり手を滑らせて茶碗を落としそうになる。
運よく落とさずに済んだものの、冷や汗をかいた。
みていた家臣たちも「落とさなくてよかった~」と思った。
そ・の・と・き。
なんと、政宗、せっかく落とさずに済んだ茶碗を、突然、床にた
たきつけて割ってしまったのだ。
驚いた家臣から理由を聞かれ、政宗はこう言ったそうな。
「たかが茶碗ごときに肝を冷やした自分の器の小ささが許せない
だから、そんな思いをさせた茶碗を割ってやったのだ!」