★1 白バイの達人 | ぐーすけとりきのブログ

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白バイ警官はみな、バイク操縦技術に秀でている。
しかし、そのなかでもS巡査の技術は格別だった。


かつて都内で自販機荒らしが横行していたことのことだ。
このS巡査は、偶然パトロール中に二人乗りのバイクを発見し
追跡していた。そしてその追い詰め方が、他の白バイ警官とは
ひと味違っていた。


彼はガードレール沿いに走る少年のバイクを白バイで
挟み込むように走り、ガードレールが切れる瞬間に
わずかに白バイを併走するバイクより前に出し、
斜めに行く手をさえぎるのだ。


行く手を阻まれたバイクはその場で転倒するしか
方法はない。自ら転倒するので大きなケガをする
こともない。


結局、追い詰められた少年たちはバイクを乗り捨てて
走って逃げていくしかないのだが、
S巡査は逃げるいとまも与えず、白バイから降りて
二人に襲いかかっていく。


暴走族や自販機荒らしのような事件を起こす少年たち
のほとんどは、ナイフを隠し持っている。
実際、それまでにも逃げる少年を追い詰めたものの
バイクを止めた瞬間に刺された警官が多くいたのだ。


そうした危険を未然に防ぐため、S巡査は相手の利き腕を
ヒザでがっちりと押さえ込み、さらにもう一人の前褌を
とって、動けなくしてしまう。
どんなに素手で殴られようとも、ヘルメットをかぶっている
ので、たいしたダメージはない。そうこうしているうちに、
S巡査は少年たちのポケットから免許証入れなどを
スッと抜き取ってしまうのだ。


少年たちの多くは、身元がわかるようなものを取り上げ
られると、一気に戦意を喪失してしまい、おとなしく
お縄になってくれる。このとき、少年たちが乗っていた
バイクが盗難車だったことから器物損壊ばかりでなく
窃盗までもがおまけについてしまった。


S巡査の白バイ教習時代はそれほど良い成績で
修了したわけではないというから不思議なものだ。
バイクを使って、相手を追い込む技術は警視庁でも
ピカイチだったのに…。


このS巡査、その後バイクの技術を買われて、
公安部に移りロシアスパイの担当となり、
ソバ屋の出前のふりをしてロシアからのスパイを
尾行しつづけたのだ。


本来、交通課から公安部への異動というのは
めったにない。しかしS巡査の場合、一芸に
秀でていたために、交通から公安という
大出世を果たすことができたと言える。