所持品検査について考えてみよう。所持品検査には
4つの対応があるといわれている。
①所持品の外部を観察して質問する行為
②所持品の開示を要求し、開示されたらこれを検査する行為
③所持人の承諾のないときに所持品の外部に触れる行為
④所持人の承諾のないときに内容物を取り出し検査する行為
このうち①②が職務質問の一環として実施しうるという点に
ついては争いは無いようである。
③④の場合の所持品検査は適法かというと、判例は職務質問
付随行為説をとり、口頭による質問と密接に関連し、職務
質問の効果をあげるうえで必要性・有効性の認められる行為である
から許される、とする。
しかし、判例もハードルの高い前例をつくっている。
米子銀行強盗事件である。
この判例では、銀行強盗の被疑者である容疑が濃厚な者を
職務質問中に、承諾のないままバックのチャックを開けて中を
一瞥した行為が問題となった。判例はこれを適法としたのだが
銀行強盗の容疑がきわめて濃厚であったということ、および
何度もくり返しバッグの開示を要請していたという事情、また、
バッグのチャックを開けてバッグの中を一瞥したにすぎない
ことが考慮された。
そして、所持品検査の必要性・緊急性および侵害される個人
の法益と保護されるべき公共の利益を考慮して、この程度の
ことならば相当であると判断されたわけである。
この判例の要件は、搜索に至らない程度の行為ならば許される
といっているので、たとえ任意であってとしても、カバンの中を
全部ひっくり返して搜索に至るような行為は許されないこと
になる。
もし、「カバンの中みたいなあ~」といってきても(緊急
配備検問の米子銀行事件は問題外としても)
「捜索差押令状見せてください」でよいのである。