日本の海上自衛隊の潜水艦部隊は、東アジアでは屈指であると
いわれる。冷戦下、圧倒的な能力を誇るソ連潜水艦に少しでも
対抗するため、日本は潜水艦部隊を発達させたのだ。
日本の潜水艦技術は、第二次大戦時から、Uボート大国・ドイツ
の技術供与もあって、かなり進んでいた。その技術が敗戦により
崩壊、戦後はアメリカの潜水艦を原型に進化、大型化してきたの
である。
これまでの日本の潜水艦は、「おやしお」「はるしお」など、
「~しお」と名付けられてきた。現在主力になっているのが、
「おやしお」「はるしお」「ゆうしお」型だ。ともに、涙滴型
の船体になっている。
そんななか、近年、日本の潜水艦部隊には新たな動きがある。
新型潜水艦「そうりゅう」の誕生である。これまで「~しお」と
名づけてきた海上自衛隊の潜水艦だが、一転、旧日本軍の空母
「蒼龍」の名をもとにネーミングされた。
ネーミングも新しければ、そのシステムも画期的だ。「そう
りゅう」にはスウェーデンの開発したスターリング・エンジンが
搭載され、これまでの潜水艦以上の性能を有するのである。
これまでの日本の潜水艦はディーゼル・エンジンを搭載して
いたが、エンジンの燃焼にかなりの量の大気を必要としていた。
大気を補給するため、数日に一度は浮上しなければならず、
長時間の潜水が不可能だったのである。くわえて、ディーゼル・
エンジンは、燃焼する過程で爆発音が生じるので、敵に探知
されやすいという短所があった。
「そうりゅう」に搭載されたスターリング・エンジンの場合
外気をさほど必要とせず、またエンジンの爆発過程がない。その
ため、しばしば浮上する必要はなく、エンジン音もごくわずかだ。
つまり、敵に探知される危険性が、従来の潜水艦よりも
ずっと少なくなったのである。この「そうりゅう」の登場に
より、海上自衛隊の潜水艦能力は、格段に向上するとみられている。