★3 アイデアを熱望した赤塚不二夫 | ぐーすけとりきのブログ

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 赤塚にはアイデアスタッフと呼ばれるシンクタンクがある。
毎週の連載ごとにブレーンストーミングによってアイデアを出す。
スタッフは各誌の赤塚番編集者、赤塚の事務所スタッフである。


 赤塚は手に鉛筆を持ち、スタッフの話の輪に入っていく。
みんなで酒を飲みながら、自由気ままに言葉遊びをする。その
遊びの中から出てきたアイデアのうち、赤塚の好奇心のアンテナ
にひっかかったものが採用される。


 赤塚が、このように大勢のアイデアスタッフを集めるのは、
意味があった。赤塚ひとりでアイデアを考えていると、いつも
同じところを堂々巡りする。その挙句、自分の描きやすいもの
しか描けなくなる。


 「映画でも、シナリオライターとカメラマンは違う。漫画の
製作も、それと同じだ」漫画は、一人の漫画家が作っているの
ではない。大勢の人間が、それぞれの得意な才能を持ち寄って
集団で作っていく。そう赤塚は考えていた。要は、できあがった
漫画を、どれだけ読者がおもしろがるかである。だから、あえて
自分の作品だ、ということを主張しないのである。漫画家は
一プロデューサーだ、とさえ思っていた。


 赤塚は口癖のように言った。


 「ストーリー漫画は、来週も再来週もストーリーが続く。
だから、ストーリーに沿って描いていけばいい。だがギャグ
漫画は、いつも毎回完結する。だから、毎回新しいアイデアを
ひねり出さなければならない。いつも、なにかないかと探して
いる。明日、アイデアが出なくなり、描けなくなるかもしれない
という恐怖がある。今日アイデアが出たからといって、明日
アイデアが出るという保証はない。だからといって、今日浮かんだ
アイデアを明日のために取っておいたりはしない。今日出る
アイデアは、すべて使い尽くす。明日のアイデアは、また
明日考えればいいのだ。そのためにこそ、アイデアスタッフが
いるのではないか。


 亡くなった赤塚の葬儀で、タモリが「私も、あなたの作った
作品の一つだったのかもしれません」といったことは有名だが
タモリをはじめ、スタッフはそうそうたるメンツであった。


 それを考えると、「こち亀」はすごいね。毎週ネタに詰まる
ことなく、同時進行で5本のネタを温めているという。
まあ、ギャグの形が違うから、一概には言えないが、赤塚の
スタイルでは「みんなで考える」ことで作品をだしている。
だから、厳密に言えばオンリーワンではないのだ。