■4 細胞を破壊せず凍らすのが鍵 | ぐーすけとりきのブログ

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ところで、現実に細胞を凍結保存するときに問題となったのは、

水の、氷ると体積が増えるという厄介な性質だった。

これのために、細胞の内部の水分も、氷ると膨張して

細胞膜を破ってしまう。そうなれば当然、解凍しても元

に戻らない。


だから、細胞を生きたまま凍結保存をするには、

できるだけ冷やしながらも、細胞の中の水は氷ら

ないようにする必要がある。つまり、精子の凍結保存

が可能になったのは、細胞内部の水分を、過冷却に

保つ事ができるようになったから。
でも、それをいったい、どうやって実現したのだろうか。

精子の場合、それは細胞をグリセリンの中につけるこ

とで実現されている。


一般に、高分子まわりの水分子は、電気力によって

整列(構造化)するので、氷りにくくなる。つまり、グ

リセリンは精子の細胞膜を通って細胞内に入り、水を

構造化して凍りにくくしているわけです。

いわば、不凍液を注入したってワケね。

もちろん、こういう操作は単細胞だからできたことで、

細胞集団である組織とか、臓器、さらには生体丸ごとの

冷凍保存に応用するのはかなり難しい。無数にある細

胞の全てに不凍液を注入するか、あるいはそれとは全

く別の方法でもいいから、とにかく細胞内の水分が

凍らないようにコントロールするなんて、

いったいどうしたらいいのだろうか?


それがわからないことが、このタイプの人工冬眠が

未だに完成していない理由だし、おそらく将来もこの

方法の延長で人工冬眠を実現するのは

かなり難しいだろう。