正しい決断かどうかについて | kusuke-jpのアメブロ

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技術的じゃないビジネス寄りの内容はこっちのブログに書いてます。内輪ネタ多し。

こないだ、一番ぱつってる日の日報でうちの新卒系リーダーが、「正しい決断ができなかった」って反省文臭く書いてたので、反論しておこうと思う。

まず、正しい決断なんてないこと。

なぜなら正しいかどうかは「時間軸」×「評価軸」の数だけ正解があるからです。

たとえば時間軸で言うと、目先の利益(=単月スパンでの正しい判断)ばかり考えて3年前とかにまだ十分利益が出ているガラケーのビジネスに固執してほかをみずに進んでると、3年経った現在市場がなくなってしまって困ってしまいます(=3年スパンでの正しくない判断)

次に評価軸もそれぞれです。ITの現場から離れて、
「イニシャルコスト」という評価軸だとガソリン車を選ぶのが正解だけど、「燃費」という評価軸だとハイブリッド車を選ぶほうが正解。5年間保有コストでみると・・・?また違った答えが出るかもしれないし、「0-100の加速度」でみるとまたちがうよね。



じゃあどうしてあの結論に至ったか

※知らない人はなんの決断かわからないと思うのですが内輪向けブログなのですいません。

まず、評価軸のうち、自社・あるいは自組織で大切にしている評価軸はなにか。ということを考えます。また同時にそれを得るためのリスク評価を行います。

僕とかが気軽に意思決定できるのは、このリスク評価を自分に対して行っているからです。大失敗しても最悪クビになるくらいだからまぁいいや。という感じ。

自分が許容可能な範囲のリスクに収まっていればその判断が鈍らず、どうすればいいかということにだけフォーカスすることが可能です。(なお弊社は数千万円失敗しようがペナルティを課さないようです。挑戦と安心はセット

次に、A案とB案を比較し、ゲイン(得られるもの)とリスク(失敗したらどうなるか)を評価します。ゲインについてはAとBでAのほうが月間で20%くらい良さそうです。
リスクについては、A案は多少拙速の範囲を超えており、問題が起こることは明らかでした。

しかし問題ゼロを目指すかというとそうではない、ではどのような問題なら許容範囲かという検討に進みます。さらにB案にしたらそのリスクがどの程度減るかということも合わせて評価しました。

その結果、A案とB案の抱えるリスクにはあまり差がないことがわかりました。リスクをおさえたければBをより慎重にしたC案を採用しないとダメで、そのばあいゲインが40%くらい減る可能性がありました。

ゲインが減る、ということ自体がひとつのリスクですので、A/B/Cを勘案した結果、Aで基本すすめつつ、多少B/Cの要素も可能であればわずかに取り入れるという決断になりました。

もう一つ大事なこと

意思決定において重要なのは、「いつまでに」意思決定するかです。前述のABCは時間軸がずれていたため、1日意思決定がずれるとA案のリスクが倍程度に高まることがわかっていました。

本当はもっと入念に意思決定に必要な情報を集めたかったです。クリティカルな問題が起きる可能性がどの程度あるのか、ゲインの算定基準は本当に根拠があるものなのか。

しかし限られた時間で決定を下さないとより悪化することがわかっている以上、決定しなければないりません。意思決定者というのは、間違った決断をすることよりも、決断を先延ばしにすることのほうが罪なのです。

限られた情報でもやがかかったまま、それでも右に進むか左に進むか決めないといけない。間違った道を選べば責められる、それが意思決定者です。辛く孤独でいいことないのでその分お給金が一般的に高めで設定されています。

私からは以上です。