本当にアセスメントモデルを理解している人は、1から5の数値が重要なのではなく、「なぜそうなったか?」という所見が重要であることをよく理解しています。

しかし、無理解な経営層やプロジェクトオーナーの「鶴の一声」で始まったモデルベース改善では、その数値が優先され、場合によってはそれが全てになるケースもあります。


なぜそうなったか?


それが改善のスタートなのですが、アセスメントという形式の不幸は「評価する側とされる側」という、ある種の敵対関係のような構図が形成され、「同じ改善を目指す仲間である」ということがアセスメントモデルに重要な前提として、説明されていないことです。


アセスメントモデルを利用することは、決して悪いことではありません。所詮ツールの1つに過ぎません。その組織にとって受け入れやすい概念であれば、十分有用であるでしょう。


モデルベースの改善活動でも、まずは「今、自分達のやっていることが改善として見合っているかどうか。」を、推進担当者(ときにアセッサー)と、きちんと確認することです。そこからお互いの理解が形成され、その先の「信頼」が生まれてくるのだと思います。


アセスメントに最も必要であり、かつ現状で最も欠けていることが「アセッサーとアセッシーの信頼関係」であり、それが欠けた結果が、アセスメントモデルを悪者にする結果となり、常に敵の存在する組織が出来上がってしまうのです。


どんな場面においても、お互いを認め合える仲間がいてこそ、その先が明るいものとして希望を持てるのではないでしょうか。