これは、わたし自身に偏見があるのかもしれない。
プロセス改善推進のコンサルタントさんたちに対する、多大なる偏見だろう。
一応、このように前置きしておきます。気に障ったらごめんなさい。

モデルベースのプロセス改善を推進する人たちは、どうも
現場改善を「生ぬるい改善」と思っていることが多いような気がする。
特にコンサルタントに至っては、自らの仕事に対する死活問題と
捉えているらしく、現場改善に対して否定的な物言いというか、
プロセス改善より低く見ているような発言を、たまに聞くことがある。

プロセス改善のアプローチが、エンジニアリングを中心にしていて、どこか
アカデミックな匂いがするのに対し、現在多く行われている現場改善が
かつてのQC活動の変形というか、ブルーカラーの活動の延長であり
人間よりであるが故の「泥臭さ」を持っているからだろうか。
コンサルタントさんたちは、この空気感を好きではないらしい。
でもそれは、現場に対する(これこそ)偏見だと思えてならないが。

モデルベースのプロセス改善を進めようとしても、結局は現場改善が
あっての改善活動だということは、わたしは経験的にも自信をもっている。
それはプロセス改善を否定するものではない。現場のちいさな改善が
積み重ねられ、それらがマネジメントとして見通しを持ち、そして継続できる
仕組みであることを保持する活動が「プロセス改善」なのだと考える。

そういう意味では、現場改善だけがもてはやされ、現場の自己満足で
終ってしまう恐れを含んでいる状況は、憂いたほうがいいと思う。
現場改善が長期的であれ短期的であれ、最終的にはビジネスの成功に
繋がっていることが、即ちプロジェクトの成功であり、それはエンジニアに
とっても1つの幸せであることを実感できることが大切なのだと思う。

それぞれを主に推進するひとたちは、お互いをもっと尊重するというか
各自の目的を理解すべきではないだろうか。
「トップダウンの改善」や「ボトムアップの改善」という表現に、どうも
心の棘を感じてならない。一方的ではなく、お互いが補完してはじめて
よいものづくりができるのではないだろうか。

対立より尊重を。主張より理解を。改善は平和に行われるべきだ。
火消しのような「闘い」ではないのだから。

(なんてこと、前にも書いた気がするなー。)