それなりに歳を重ねたある時からM氏は、重要な予定事項はネット上に存在するスケジュール管理ツールに任せてきた。

そうする事で、必要な時にはスマホでもパソコンやタブレットでも確認できるし、予定の日時が近づいたら、自動的に知らせてくれるからだ。


 そうして歳を重ねた今、M氏自身の脳の中にはスケジュールのデータが全くと言って良いほど存在しない。

また、M氏は忘れてはいけない事柄は、紙のメモ帳等ではなく、ネット上のメモツールに保管し利用して来た。


 お陰で、ずっと今までスケジュールや記憶すべき事柄に関するトラブルがM氏を襲った事は無かった。

しかし、それらはM氏自身の記憶力を捨ててしまい100%ツールに頼って来たという事に他ならない。

「知能」と言う地球上の全ての存在に勝る人間の機能を、少しずつ捨て続けて来たと言う事だ。


 今はまだ、飛躍した空想だと思われているが、何れいつかは人がAIやロボットに支配される時が来るかも知れない。

ここに来て、そう感じ始めじて身を震わせるM氏。