「公平な評価を行うために、

 客観的で誰がつけても評価がブレない評価制度を作ってください!」

こんなオーダーを聞くことがあります。


残念ながら、とひとまず言っておきますが、

そんな評価制度はありえません。


「営業なんて数値で評価するから客観的で公平。

 研究開発とか、間接部門の評価は難しいよね。」

なんて意見も聞きますが、実は数値にできてしまう営業部門の方が

同じ1億円の売り上げでも既存客なのか、新規顧客なのか、

比較的売りやすいお客さんなのか、難しいお客さんなのか、

などなど、数字の裏にある文脈が、数値で書きされてしまうので、

却って難しいケースの方が多いです。


人間が人間を評価する行為。

これは結局、主観的なものにしかなりえないのです。

評価制度は、それを前提にしつつ、会社としては評価者間の評価項目のブレや、

レベル感の甘辛といった「主観」をなるべくブレがないように近づけていくしかありません。


そんなことなら評価なんてしなけりゃいい。

という意見も聞こえてきそうです。


しかし、評価制度は一人ひとりに点数をつけたら終わり、というものではなく、

なにができて、なにができなかったから、その評価になったのか、

では、次に何をしていけばよいのか、といった人と組織の成長サイクルに

不可欠な営みとして存在しているのです。