評価制度を設計するとき、

「絶対評価と相対評価のどちらがいいんでしょうか?」

という質問を受けることがあります。


評価制度は、そこで決まる評語(評価ランク・評価レベル・・・)が

報酬や昇格など、人件費アップに直結する要素に影響するため、

原資コントロールを簡単にするための相対評価ありきで、

「分布比率を何パーセントずつにしよう?」

「分布をかける母集団をどうする?」

などど、相対評価を前提として制度の設計をぐんぐん進めるケースが見られます。


もちろん、評語をどのように処遇に結び付けるのかは、

人事制度全体の設計からすれば極めて重要で絶対に軽視してはいけない論点です。

しかしながら、逆の言い方をすれば、それは評価制度と報酬制度・等級制度の

インターフェースをどうとっていくかという議論にすぎません。


評価制度だけの世界で捉えるならば、

「一人ひとりの社員が、会社として望ましいパフォーマンスをどの程度発揮したかを測る」

という観点が極めて重要な論点になります。


そして、「誰かと比べて」ではなく、「一人ひとり」の社員を見る以上、

評価制度だけの観点で言えば、絶対評価をきちんと行うことが大原則になるのです。


評価制度のとっかかりは絶対評価から始まる。

当たり前のようですが、見逃されがちな議論なので敢えて強調させて頂きます。