最近、中学時代の同級生とときどき会ってお昼一緒したりするのである。
遠い遠いあの頃、彼はなかなか精悍なイケメン(もちろん当時そんな言葉はなかった)で、野球部に所属していたらしい。
今は残念ながら、デカイし薄いし、往時の面影はまるでない。
まあ、そんなこといったら、ぼくもそうなんだけどね。
実は当時彼とろくに話した記憶がない。
そんな薄い間柄だったが、こないだ同窓会のおり、アイドル談義で盛り上がり、付き合うようになった。
で、こないだお昼食べながら、なんとなく本の話題になった。
彼はなかなか凄い読書家なのである。
藤沢周平とかヘミングウェイとか、なんとアラン・シリトーまで読むらしい。
というと、固い印象だが、百田尚樹や池井戸潤も守備範囲に入ってるから、バランス良い。
一方、ぼくはといえばラノベ一直線な日々を送っている。
と、いったら、彼は不思議な表情をして、「ら、らの?」
どうやらラノベを知らないらしい。
考えてみればさ、「ラノベ」って、知らないひとからしたら、なんか妙な単語だよね。
なんか舌の上にスライム載せられたみたいな、発音したとたん気持ち悪いヌルヌルした語感に打ちのめされるよね。
知らないひとからしたらね。
そこで、他人の気持ちを客観視できるぼくは言い直した。
「ライトノベルだよ」
しかし、それでも通じなかった。
ガーン!彼はラノベを、いやライトノベルを知らなかったのだ。
思い出すのはいつだったか、伯母の葬儀のあとの会食の席で、テーブルにいた全員がラノベの存在を知らないことに打ちのめされたことがあった。
一般人はラノベを知らないのか。
あんなカラフルで目立つのに。
まあね、とはいうもののこの話の登場人物はみんな若くはないんだけどね。
若くても三十代以上だから。
それでもなー。
ところで、その同級生がラノベを貸してくれという。
なので、今度会ったときに何を持っていくか、思案中。
それを読んだ彼が「ふん、くっだらねーな」というか。
あるいは「面白いじゃねーか」というか。
まあね、正直たぶん彼にラノベは合わないんじゃないかと思ってるよ。
それならそれで、二度と貸さないでいいから、楽なんだ。
ちょっと、残念だけど。
あくまで、ちょっとだけ、ね。
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仕方ない。ラノベ読みを増やすためにも、なるべく面白がってもらえそうな本をがんばって選んでみるか。
今のところ異世界転生ものと学園イチャラブものを何か一冊ずつと考えているところである。
※写真は最近読んだラノベであり、貸す候補でもなんでもないですぞ。