読書感想文 「信頼する力 遠藤保仁」 | 野口英世で競馬

読書感想文 「信頼する力 遠藤保仁」

信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題 (角川oneテーマ21)/遠藤 保仁
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僕は南アフリカワールド杯を期に遠藤に対する印象が変わった。

「こんなに走る選手だった!?」

遠藤に対する印象と言えば、中盤の底でボールを左右に散らすゲームメーカーという印象で、
悪い点で言えば、足も遅くてドリブルもシュートもあまりしないという印象だった。この印象が正しいかどうかは
別として個人的にはずっとこう思ってきた。

それがなんだ。

南アフリカで献身的に守備をする姿は。走行距離はカメルーン戦はなんとチームで2番目。

南アフリカが終わってからも遠藤は凄かった。サイドバックのオーバーラップのような果敢な攻め上がりをする
時もあれば、ドリブルで持ち上がる時もある。守備では本当に目立つようになり、スライディングや泥臭い守りも
する姿を目にすることが多くなった。

遠藤に何があったのか!?絶対なんかあったやろ!って思ってた時に、著書を本屋で発見したので買ってみた。





読んでみれば、遠藤△って内容!こんな考え方してるやつだったんだ!

まず驚いたのは、

遠藤は今でも海外でプレーしたいと本気で思ってること

 俺は完全に誤解していた。遠藤はガンバで王様状態だ。安定して日本代表にも選ばれている。
  でも中田や俊輔が全盛の時代、遠藤は代表に選ばれるがなかなか起用されなかった。それと
  にた状況にいた選手に小笠原がいた。彼も鹿島で王様だった。でも代表ではなかなか起用
  されなかった。その状況を打破するために彼が取った行動は海外移籍だった。対して遠藤は・・・。
  結局小笠原は海外で失敗し、結果代表にもほとんど呼ばれなくなってしまった。遠藤は海外から
  逃げてる!って思ってた!でもそんなことはなかったのだ!今でも遠藤は海外でプレーしたいと
  思ってるし、Jでプレーしている中でも常に世界を意識したプレーをしているのだ!遠藤△!



あとは、代表監督の裏話もおもしろかった。


トルシエについてはかなり毒を吐いている

ジーコについてはもう呆れてる

オシムについては尊敬が伝わる

岡田監督はマジですごい人なんだとわかった



トルシエ、ジーコ時代の遠藤にとっては、選手としての能力以外の部分でどうしようもない状況に置かれた。その状況での遠藤の考え、行動の是非については分からないが、その後のオシム、岡田監督の下での遠藤を見ていると監督が与える影響というのはとてつもないものがあるということだろう。




個人的には冒頭に述べた疑問が解決してうれしかった。

短い時間だったがオシムが遠藤に与えた影響というのは大きかったと思う。