●2018年7月15日(日)●

 

☆Ratos De Porao Live In Tokyo☆

 

Ratos De Porao(from Brazil)

Neuroticos

Butcher ABC

Saigan Terror

Barbatos

 

OPEN 17:00

START 17:30

前売 5500円

当日 6500円

(別途ドリンク代 500円)

 

さすがに事件と呼ぶに相応しい内容だったと思う。ブラジルのクロスオーヴァーヒーロー、RDPが来日を果たしたのだから。

 

海外ではフェスに参加しまくりの大御所バンドだが、それに比べると日本での知名度は乏しい。90年代は国内盤のリリースもあったが、それも昔の話。

 

ここ数年は輸入盤のみのリリースで、熱心なファンが追いかけていただけだと思う。またブラジルと日本という距離の問題もあり、誰もが来日の可能性は乏しいと考えていたのではないだろうか?

 

今回は奇跡の来日となったわけだ。

 

アースダムという箱にしてはチケット代が高めにも関わらず、凄い数のお客さんだった。特に日系ブラジル人のお客さんがポルトガル語で大盛り上がりしている様子は、とても同じ日本とは思えなかった(笑)。

 

アジアツアーの一環だったが、日本だけの特別仕様のツアーTシャツあり。そのTシャツも私が行った時にはSサイズが2枚残っているのみで、その2枚もSAIGAN TERRORを見ているうちに売り切れてしまった。

 

1、SAIGAN TERROR

RDPからの影響をMCで公言した時は驚いた。てっきりS.O.Dみたいなバンドを目指していたと思っていたからだ(笑)。

 

確かに改めて音楽を聴いてみると中期以降のRDPらしさも感じられる楽曲。

 

それにしても一歩間違えれば野暮ったくなってしまいそうな、スラッシュメタル直前のUSクロスオーヴァーを見事にやってのけており、楽曲の完成度には改めて驚かせられた。

 

2、Neuroticos

日系ブラジル人をメンバーに含む広島のデスメタルで今回で見るのは2回目。

 

かなりオールドスクールなブルータルデスメタルで、近年のモダンな印象のものではなく、初期のSUFFOCATIONのような、オールドスクールからブルデスへの進化の過程のような音楽を演奏していた。

 

初期デスファンに評価されそうな音だ。

 

3、Butcher ABC

1stフルアルバムも無事にリリースされたブッチャー。数年ぶりに見た。

 

初めから初期のミニアルバムの曲でカッ飛ばしていて狂喜乱舞。1stフルアルバムはまだ聞いていないが、ライブで聴いた限りでは更にマニアックな音像になったと思った。

 

マニアックでありながらキャッチーさを忘れないのがブッチャー。一級品のモッシュゴアにして、ダンスミュージックでもあった。最高。

 

4、Barbados

相変わらず高度な技術で、頭の悪そうなメタルパンクを意図的に演出するバンド、Barbatos。

 

メタルパンクとは技術が伴わず、メタルになりたいのになりきれずにパンクになった。そういうものだと思っていたが、Barbatosを見る限りは、それは違うと言わざるを得ない。

 

国内の一級品のミュージシャンにより演奏される最高の演奏は、限りなく「ヘヴィメタル寄り」のメタルパンクを炸裂させていた。

 

5、RATOS DE PORAO

演奏が始まるまでは黒い幕に隠されてメンバーの姿も見えなかった。些細なことだが、大御所バンドだと小さなハコでも、こうなるんだと感動(笑)。

 

しかし幕が開いてもステージなんて見えない程の人の嵐。そして最初の曲が始まった途端に暴動のように始まるモッシュ。

 

人はダイブしまくり、「開幕」という言葉が適当と思われるスタート。

 

そして2曲目に名盤「BRAZIL」の1曲目「Amazonia Never More」がスタート。イントロから大爆発である。

 

想像以上に驚いたのは1stアルバム以前のプリミティヴハードコアと、2nd以降のクロスオーヴァーな楽曲が同居している事。

 

細かい事を言えばD-BEAT影響下の1st以前、2nd~3rdのクロスオーヴァー移行期、そしてスラッシュメタルと対等に渡っていけるようなカッチリとしたクロスオーヴァーを炸裂させる4th以降で音質や方向性が変わっていったと思っているのだが、どの時期の曲も違和感なく同居していた。

 

あとはRATOS DE PORAOと言えばパンク・ハードコアというのが個人的な印象だったが、ライブに来ている客層を見ていると、意外とヘヴィメタルやスラッシュメタルファンの支持が厚いのかと思った。

 

対バンがデスメタルなのもあったと思うが、スラッシュメタルやオールドスクールなデスメタルTシャツのお客さんが多かったからだ。

 

反面、COLERAのTシャツ等のブラジルハードコアファンも見られて、まさに客層もクロスオーヴァー。会場には本当に良い雰囲気が漂っていた。

 

それにしても演奏が長い(笑)。嬉しい事なのだが、屈強な在日ブラジル人がモッシュしまくっている中、ほとんどが暴動寸前の激しい曲の連発。

 

ハコの中はサウナ状態で、自分自身の汗が目に入って前が見えない。服なんて、川で溺れた後みたいにびしょびしょだった。

 

過酷なライブをアンコール込みで見て終了。アンコールで1stの曲も演奏されたし、なんだかんだ初期のD-BEAT影響下の曲が自分自身は好きだった。

 

恐らく英語も日本語も喋れない事からほとんどMCのないライブではあったが、メンバーは日本での大盛況にかなり満足がいったのではないだろうか?

 

しかし人生で行ったライブイベントの中でも1、2を争うハードなイベントだった。