●2018年2月11日(日)●

 

昨年のTRUE THRASH FESTはSDIにもDARKNESSにも興味がなくてスルーしてしまったが、今回の10周年記念イベントは凄いメンツだ。

 

発表と同時に行く事を決意した凄い内容だ。更に来日を見損ねてしまったSACRIFICEを今一度見るチャンスが与えられたのは、私にとって大きかった。

 

遥々、大阪まで行ってイベントを見てきたのだった。

 

1、FASTKILL

自分がヘヴィメタルやスラッシュメタルのライブを見に行くきっかけとなったバンドが、1バンド目というのは感慨深いものである。

 

彼らも随分と長い年月を活動しているが、楽曲の切れ味はいつも通りで抜群だ。途中ではGAMYのボーカルがゲスト参加もしていた。

 

2、ROSEROSE

以前にスラッシュメタル系のイベントで見たが、半年ほど前の話だろうか?

 

スピードチューンの連発の割には客の暴れ方は静かだったが、彼らのアルバムリリースペースに客側がついていけていないのかもしれない。

 

初期を思わせるクロスオーヴァースラッシュとグラインドコアの融合のようなパワフルな音で、日本のスラッシュメタルもかなり強豪揃いである事を見せつけてくれたライブだった。

 

3、EXCUSE

次はフィンランドの若手バンドの登場。スラッシュメタルと言うのか、パワーメタルと言うのか、ジャンル区分のしづらい音だが、若手ならではの傍若無人な勢いは感じるバンドだった。

 

4、RIVERGE

なんとステージ上ではなくフロア内でのライブ。勿論、ステージ程に音はよくないが、ラフな音が反対に演奏の破壊力を増しているような気もした。

 

演者、お客、入り乱れてのモッシュを楽しんでおり、気持ち良いライブだった。

 

5、AT WAR

TTFで以前にも見た事のあるAT WAR。

 

MOTORHEAD影響下のバンドと言えば聞こえはいいが、ホコリが巻き散りそうなチープなギターな音に単調なリフ。恐らくは本人達の意図しないところでハードコア的要素を巻き起こしている。

 

1stアルバムの曲は爆走度も高く最高だが、よく、この曲で何十年もやってきたものだと感心してしまった。良い意味でのB級ハードコアメタル。

 

6、SACRIFICE

ここからが自分にとっての本番だった。

 

その歴史をして、全てのアルバム(正確には4thアルバムが少しいまいちだったが…)が徹底された構成力と爆走具合で、スラッシュメタルの歴史に名を残したと個人的には思っているバンドの登場だ。

 

驚いたのは再結成後にも関わらず、メンバーは凛とした姿でステージに立ち、主に1stから3rdの名曲の数々を激しい音で演奏し始めた事だ。

 

その演奏力は再結成バンドにありがちなシケたものではなく、躍動感のある音像で、アルバム以上の迫力を持って演奏されていた。

 

ただ、ひたすら感動である。風邪で頭痛がするという自分自身が最悪のコンディションでなければ、暴れ狂っていただろう。

 

SACRIFICEのライブに立ち会えた事に意味があったと思うし、このためだけにでも、大阪に行ってよかったと思わせてくれるライブだった。

 

飽きる事なく最後まで見る事ができた。

 

7、BLOOD FEAST

爆走バンドは止まらない。2017年に再結成後初のフルアルバムをリリースした彼ら。

 

80年代に作られた曲なんじゃないかと思われる程の懐古、いや、真実のスラッシュメタルアルバムであり、その爆走具合にガッツボーズをとったメタルファンは多かったであろう。

 

その彼らが最新アルバムの曲を中心に過去の曲も交えて演奏するのだから、悪いわけがない。

 

何よりメンバー自信が楽しんで演奏しているように見えた。更にはバンドのステッカーからピックまで、ステージからお客さんに投げ放題でサービス精神も抜群だ。

 

かなり躍動感あるパフォーマンスで、音は激しめながらも余計なパフォーマンスはせず演奏に徹していたSACRIFICEとは、対照的に映った。

 

SACRIFICEと甲乙つけがたい、名ライブだった。

 

8、HIRAX

個人的には彼らのファンだったが、この対バンでトリを勤めるなら、正直言えば別のバンドではないかと思っていた。

 

HIRAXでは見た目にインパクトはあっても、トリとしては弱いのではないかと思っていた。

 

しかし私の想像を他所に、HIRAXは見事、良い方向に裏切ってくれた。

 

ボーカルのKatonの人を食ったようなパフォーマンスと、達者な日本語。

 

彼の表情や動きを見ているだけで、こちらも楽しくなってしまった。

 

再結成後の曲はブルータルでミドルテンポを中心としたものだった。

 

それはそれで悪くないのだが、80年代のクロスオーヴァースラッシュ期の曲の爆走具合が凄い。

 

最後に聞いたのは何年も前の話だが、耳が覚えていたようで、初期の曲が始まるなり思い切り飛び出してモッシュピットに混ざってしまった。

 

最後までテンションを下げる事なくパフォーマンスと演奏をしきったバンド。正直、曲や演奏の好みで言えば他のバンドに軍配があがるが、場を盛り上げたという意味では最高のトリだと思った。

 

【総評】

 

最後の3バンドはどれも甲乙つけがたい程の名演をしてくれたが、SACRIFICEのステージング、演奏は今後も忘れる事がないだろう。

 

自分が若い頃に好きだったバンドを数年の時を経て見る事が出来た事に素直に感動だ。