●2016年2月16日(土)●

OPEN 15:00
STRT 16:00

予約 6500円
当日 7000円

TRUE THRASH FEST2016 DAY1
WHIPLASH(US)/TERRORDOME(POL)
VINGADOR(BRA)/RIVERGE/FASTKILL

かなりレポートが遅れてしまいましたが、大阪まで行ってきました。正直、今回のTTFは、POSSESSEDやBLOOD FEASTの時に比べてテンションが上がる感じではなかったんですよ。

WHIPLASHは確かに偉大なバンドですが、私は人が言う程に彼らの1stアルバムが好きだったわけではないですし、後期の4th以降なんて聴いていられないような退屈なメタルでした。どの時期の曲を演奏するのかわからないので、賭けのようなものでした。

そして同時に来日予定だったVENOM INC.はキャンセル。代わりに初期SODOMのギタリスト、FRANK BLACKFIREが追加されましたが、ギタリスト1人で何を演奏するのか…勿論、サポートメンバーはいるのでしょうけれど。

他の来日バンドも視聴した感じではそんなに好きな感じではなかったですし、でもWHIPLASHなんて人生で2度見る事はないだろうなぁ~、と思いながら大阪行きのバスを予約したものです。

1、RIVERGE
今回は最初からRIVERGEが登場。既に国産スラッシュメタルシーンで高い知名度を誇るだけあって、今回も最初からモッシュピットが出来ていました。曲の瞬発力がすごい!そして、凄いとわかっていながらも、個人的に今ひとつ、のめり込めないバンドの1つなのでした。

2、FASTILL
私が土曜日を選択したのは、何を隠そう、このFASTKILLが1日目に出るからでした。東京でのライブに比べると盛り上がりは地味な印象。そして正直、この手のアンダーグラウンドなバンドには会場が広すぎる感じがあります。しかし盛り上げようとしたのか衝動的だったのかわかりませんが、ベース兼ボーカルのToshiが、ベースを捨ててダイブ!

そう!FASTKILLはメタルでありながら、姿勢が常にハードコアなのです!クール!畳み掛けるように曲を演奏して終わりました。

3、VINGADOR
ブラジルの伝説のバンド、AGGRESSORのメンバーが在籍しているスラッシュメタルだそうです。私に限らず、ほとんどのスラッシュメタルファンはAGGRESSORと言えばカナダの激速スラッシュを思い浮かべると思うのですが、ブラジルにも同名のバンドがいたんですね。

そしてこのバンド。視聴した感じでは少し私の好みだな、と思っていたのですが、ライブで見て、やはり自身の好みだったと実感しました。SLAYERの5thアルバムに収録されていそうな地味な曲ばかりを連続で演奏しているような感じで、激渋なのです。

最近は激速スラッシュに体が疲れてきたので、このぐらいのスピード感が丁度良いです。会場は見るからに盛り上がっていなかったですし、偶然に会場で会った東京の友達も「退屈だ」と一刀両断していましたが、悪くなかったと思うんですけれどね…。

ネットで視聴した時も思ったのですが、シングル曲だけ、何故かS.O.D風のクロスオーヴァー風で方向性が謎です。

4、TERRORDOME
激速クロスオーヴァースラッシュ。この前日も前夜祭で既に来日済みだったため、曲を知っている人も多いのか、会場は凄い盛り上がりでした。S.O.Dの3倍速ぐらいのクロスオーヴァースラッシュには、曲が好みか好みじゃないか以前の「凄い」はありますが、個人的にはツービートじゃなくてブラストみたいになってしまうとノリにくいんですよね…。あのスピードでカッチリ演奏する演奏力は本当に凄いと思いましたが。

褒めるならCRYPTIC SLAUGHTERみたいとも言えますが、私はCS程、センスの良いバンドだとは思ってないです。真ん中ぐらいの位置で眺めていました。

5、FRANK BLACKFIRE
一言で酷い!ギター以外の演奏は素人目に見てもガタガタだし、曲は当たり前だけど極初期のカルトスラッシュとでも言えるような初期SODOMの曲。まぁ、曲自体は良いとして、スタジオ盤よりもスピードが遅いのと、とにかく地味な選曲でどうにもノリにくいんですよね。中々退屈でした。SODOMの曲という1点だけは燃えるんですけど、本物のバンド編成のSODOMが見たいですね。

6、WHIPLASH
一言で凄い!ここまでのメンツは悪くなかったのですが、大阪まで行く価値があったかと言うと、微妙というのが正直な感想でした。しかし、このWHIPLASHがすごいんですよ!

まずは1stの曲を連発!完全に当時のアルバム並み、いや、それ以上の切れ味で迫ってくるんです!こんなに暴力的で完璧な曲だったっけと耳を疑うぐらい素晴らしい曲の数々で、私はWHIIPLASHの1stの何が嫌いだったのか、むしろ完璧ではないかと、ライブ会場で思い直したのでした。

WHIPLASHのアルバムを実際に聴いていたのは10年ぐらい前の高校生ぐらいの話で、昨今はたまに思い出したように聴いたとしても、ウォークマンで1年に1回とか、そんなペースだったのですが、実際に曲を聴いてみると体が覚えているんですよね。やはり10代の多感な時期に聴いた曲はそうそう忘れないですね。

そして個人的にですが、1stや2nd等の初期の曲の合間に挟まれる最新アルバム「Unborn Again」の曲が良いんですよ。アルバム自体を通しで聴いた時には、確かにスラッシュメタルであると思ったものの、初期衝動を取り戻したとは言い難い、どうにも中途半端な復活作だと思っていました。

しかしライブで初期の曲の間に挟まれるといいんですね。箸休め、と言っては失礼なんですが、ロッキンで、渋いスラッシュメタルを聴かせてくれるんですよ。

1stの曲の時はとにかく最高でした。会場もどこから人が湧いてきたんだというぐらいに人が押し寄せてきて暴動状態でした。特に1つ前のグループの演奏が酷かった分、対比効果でWHIPLASHの演奏が安定して聴こえましたね。

プロフェッショナルなライブを見られて良かったです!大阪までわざわざ行った価値を噛み締めて、帰路についたのでした…。