●2015年6月28日(日)●

【sinvalor punx Los Crudos Japon viaje 2015】

LOS CRUDOS(from USA)
奇形児
LIFE
k.o.l.a

OPEN 18:30 START 19:00
予約 3000円 当日3500円
SOLDOUT!!!

言わずもがな、伝説の来日だ。私が初めて触れ合ったスペインハードコアバンドにして、90’sハードコアの最高峰バンド、ロス・クルードス。16年ぶりの来日。生きている間に見る機会がある事自体が奇跡だ。

私はこの日を楽しむ為に、無気力にならないように3日間オナ禁した。普段はガブガブ酒を飲むところだが、歴史的瞬間を冷静にみつめたくて酒の量を控えた。普段は持ち歩く携帯電話や財布も、ロッカーにわざわざ預けた。ポケットに膨らみがあるだけでも集中してライブが見れない気がしたからだ。

慌てすぎてOPEN時間を間違えて1時間程早く着いてしまった。コンビニで買った酒を1缶だけ飲んで暇を潰した。物販にわざわざ並んだのに、なんとなくTシャツのデザインが好みじゃなくて買うのを止めた。あとで全てすぐに売り切れたと聞いて買っておけばよかったとも思ったし、でも実際には好みじゃなかったんだから要らなかったんだと思う。伝説に記念は要らない。目と耳で感じるものだ。

1、k.o.l.a
知ってはいたものの初めて見る日本のハードコアバンド。USライクなサウンドだけれど、コンピレーションアルバムやband campで聴いたイメージよりも楽曲が複雑で、カオティックハードコアの影響を感じた。US色が強く、今回の対バンの中ではLOS CRUDOSの対バンのイメージに一番合っていたと思う。それにしてもギターの人が酔っ払いなのか、本人がMCで話してた鬱病のせいなのかわからないけど、表情とか話し方とかやばくて苦笑してしまった。

2、LIFE
最近はとにかく安定感のあるLIFE。「Eco System」スタートのかなり加速力のあるセットリスト。さすがにLOS CRUDOSが控えている中で、普段よりは客の暴れ方も落ち着いていた。とはいえ、しっかり盛り上げるのはさすがLIFEだ。途中でLOS CRUDOSの94年来日時の対バンだったDISCLOSEのカヴァー曲を披露。これで爆発的に盛り上がった。そこからの「Violence, Peace And Peace Research」。う~ん、燃えるねぇ。個人的な気持ちも大盛り上がりのバンドでした。

3、奇形児
最近は古めの曲はやらなかったんだけど、1曲目から「1983」のスタートで個人的にかなり燃えた。そのあとは2ndアルバムからの曲を披露。最近の曲は本当にキーボードの使われ方が上手く、以前の奇形児にはなかったグルーヴ感がしっかりと感じ取れた。プロレタのキーボードを斜め上にして客に見せるように殴打したりと、破壊的なパフォーマンスもしっかり決まっている。

途中「情狂」、「ヒポコンデリア」等を挟んでの「聖域」。どうしてもこの曲を聴くと眠くなってしまう…。しかし1stアルバムから「殺せ」が始まって盛り返していって、最後は「気狂い病院」で終わり。「奴隷志願」か「Tokyo Rock'n Doll」をやってほしかったなというワガママもあれど、かなり好みのセットリストだった。

何より、私が日本で一番好きかもしれないパンクバンド奇形児と、LOS CRUDOSの対バンするイベントが存在した事が奇跡だったのかもしれない。

4、LOS CRUDOS
正直、LOS CRUDOSが始まるまでは「チケット完売は嘘かよ」と思っていた。だって人は普段より入っているとは言え、動き回るスペースは十分にあったし、CAPITALIST CASUALTIES来日時程の圧迫感を感じなかったからだ。

しかしLOS CRUDOSのチューニングが始まるやいなや、どこに隠れていたのか、人、人、人、人間がどんどん前に押し寄せてきた。私が呑気にトイレに行って帰ってくる頃には人間の壁が出来上がっており、前に進むのは不可能になってしまった。

それでもなんとか演奏が始まると同時に猛突進。いや、後ろからも突進してきてる!もうそこからは大乱闘なんてレベルじゃない。ある者は狂ったように暴れ出し、ある者は転倒して起き上がるのに精一杯。空からは人が降りまくってくる。酸素は全然足りていない。圧死、窒息死、そういう言葉が頭の中を駆け巡った。本当に死人が出てもおかしくなかったと思う。私の臓器も未だに潰れたままで具合が悪い。

しかし演奏はそれ以上に凄かった。タイトな演奏は微塵の狂いもなく、切れ味は音源通りか、それ以上。原曲がリリースされた時から何十年も経っているのにキレがいいのだ!さすがにyoutubeや写真で見た当時の映像よりボーカルのマーチンは老けていたけれど、曲は老いを感じさせない勢いだった。

もう捨て曲というものが一切存在していないのだ。暴れまくるしかない。捨て曲がない中で1st EPの曲なんて完全にVIOLENCEそのものだ。このタイトさ、圧倒的な感じは消毒GIGにおけるGAUZEを思い出させる。完全に伝説のバンド。伝説のGIGだった。

アンコールは1曲やった後に、再アンコールで2曲。曲自体が短いので助かった。あれ以上ライブをやられたら呼吸困難で死んでたと思う。気づけば一瞬で終わっていたが、心地よい快感を味わう事が出来た。

【総評】

久しぶりにこれがハードコアパンクだというイベントに行った気がした。真の意味でだ。対バン含めて全てが良かった。ブラボー。