・METAL SKULL/METAL MILITIA (1999)

私は震えている…色々なメタル・ハードコアアルバムを聴いてきたが、まだ未聴のアルバムでこんなにかっこいいものが1999年にリリースされていたなんて、思いもよらなかったからだ。

こちらの1999年に出たアルバムは現在まで再発されていない激レア品で、コレクターの間で人気がある。いかにもヤバそうな腹を切りつけたジャケットに、METAL SKULLという、これまたハードコアなメタルを集めてる人にはたまらないであろうバンド名。しかしボーカルが自殺してしまったという事、以外には全くの謎であり、その音楽性も聴いたものしか知らないぐらい情報が少ないバンドだ。

そしてCDプレーヤーにセットして、約16分という短い時間に驚愕する。ハードコアバンドでも昨今、フルアルバムにして16分というのは短いのではないだろうか?結構な金額を出して買った為に少し不安になる。適当な曲が連発されるような駄作だったらどうしようと…。

再生ボタンを押す。先ずはイントロだ。曲が始まらない。かなり待たせてくる。

そして長いイントロを聴いて2曲目の「IRON METAL」…うおおおおおお!!!なんつーかっこいい曲!ボーカル!もう部屋の壁に体当たりしてモッシュしまくり、次の「NAKED VIOLENCE」では椅子から飛び降りて布団にダイブをかましてやった。

これは簡単に言うとメタルにハードコアを融合したアルバムである。気軽に名前を出す事も躊躇われる伝説のバンド、GISMに音楽性としてはかなり近いと思う。GISMの1stをもっと高速に、音質を良くして、メタル成分を足したような強烈なサウンドだ。

伝説のバンド、GISMの数少ないフォロワーであるというのもすごいし、更にフォロワーでありながらも、オリジナルに負けずとも劣らない完成度とオリジナルティを兼ね備えた楽曲群がただただ凄いのある。

短い時間だが、その充実した内容には感動すら覚えた。やたら汚いダミ声のやさぐれたボーカルは、一歩間違えればチープであるはずなのに反して本物の狂気を感じる。

そして英詞に混ざって展開される日本語詞である。

「痛みを避けて死を恐れる 俺は不完全な男(DANCE ON FIRE)」

「狂った野生のペニス スラッシュ 気まぐれトラッシュ(FASTER TRASH DEATH SKULL)」

「汚れを知らない俺は綺麗な男男男男(ROCK ROCK SHOCK)」

ネタで書いたにしても完全に狂ってとしか思えない。彼の劣等感や神経質な感じが、一見ふざけた歌詞の中でも伝わってくるから怖い。面識もない人に言うのは失礼かもしれないが、自殺してしまったのも必然ではないかという程の狂気が歌詞からは伝わってくる。

何にしても凄いバンドの凄いアルバムだ。私はこのアルバム1枚で完全にこのバンドの虜になってしまった。カルト中のカルト。狂気のハードコアメタルである。