●2014年3月2日(日)●

Obscene Extreme Festival Asia
会場:浅草クラウッド

12時OPEN、13時START

まさかの東京で行われる事になったObscene Extreme Festival。海外フェスで日本では無縁の話だと最近まで思っていました。

そしてOEFと言えば多数のグラインドコアバンドが出演するフェスと思っていたのですが、蓋を開けてみると日本を代表するジャパニーズハードコアバンド、それもクラストだらけの俺得フェスになっていました。

メタラーなら前日の2日目に行くべきだったのでしょうが、ゴアグラインドとかデスメタルとかにすっかり感心を失っていた私は3日目だけの参戦。1日目はCRIPPLE BASTARDS目当てで行きたかったのですが、月末の金曜日に仕事を定時で上がれるわけもなく断念。

1、self deconstruction
男女ツインボーカルのグラインドコア。実際聴いてみるとグラインドコアというよりブルデスっぽさを感じました。テクニカルな曲の展開とか、全くキャッチーじゃないリフとか。でもボーカルは男女両名とも勢いがあって、女性はべっぴんさん。今より評価されても良いバンドだと思います。

2、ISTERISMO
何回も見ているのですが、何回見ても飽きない!!最高のイタリアンノイズジャパコア!!日本のハードコアの1つの最高の形だと思います。速い曲より遅い曲のがかっこいいと個人的には思います。

3、FLAGITIOUS IDIOSYNCRASY IN THE DILAPIDATION
女性4人組のグラインドコアバンド。なんだか、よくも悪くも女性の感性で作られたバンドだな…という感じでした。音に切れ味がないというか、もっさりした物体が速く動いていくような感じ。リフは輪郭があって好みのタイプなんですけどね。

このバンドに限らず、MIND OF ASIANとか聴いた時もそういうもっさりとした印象があるんですよね。なんとなく身内っぽいノリも苦手でした。嫌いじゃないんだけどなぁ…。

4、SETE STAR SEPT
高円寺BASEにやたらカセットが入荷してるバンド、というイメージが強い、ノイズグラインド。ドラムとギターボーカルのユニット形式で、ギターボーカルが女性という特異なバンド。ノリやすいようなノリにくいようなノイズグラインドをひたすら連発。最後はミドルテンポの曲でメンバーがダイブしてくるという、中々マイペースなバンドだったのですが、こういうの嫌いじゃありません。

5、DISGUST
言葉にすると矛盾してしまいますが最初のトリがやってきました。名古屋のクラスト・グラインドコアDISGUST。彼等の1stアルバムは個人的にグラインド・エクストリーム史に残る名盤だと思っていたのですが、10代の時に聴いてから今日まで、彼等のライブを体感する機会はありませんでした。

とにかく曲がかっこいい。DOOMなんかから影響を受けたようなシンプルなコードでありながら飽きずに聴かせてくれますし、凄い迫力があります。個人的にはドラムの音に切れ味があって好きです。

割とメタリックハードコア的なミドルテンポの曲もありました。昔に音源を聴いていた時は速い曲だけのイメージだったのですが…。遅い曲も完成度は高かったです。むしろ遅い曲がなかったら体力的に無理でした。人も狂ったように暴れていました。

6、GORE BEYOND NECROPSY
NOISE A GO GO'Sとしてロックンロールグラインドに変貌していた彼等ですが、初期のバンド名に戻しての再結成ライブ。極端に歪んだギターに、これまた凄いエフェクトかけまくりのボーカルで凶暴そのもの。

曲は盛り上がってきたところで終わるショートカットグラインドなので、多少お客さんはノリづらそう…。でも、それも狙ってやっているのかも。

割と後期に通じるようなキャッチーさもありました。

7、ABIGAIL
今、まさにメタルパンクブームの私にとって、最も見たかったバンドの1つです。FUCKとかHELLとか、頭の悪そうな言葉が並ぶ曲名は最高ですね。そしてリフ!!もうとにかく1つのリフで押しまくる感じなんですが、リフがとにかく良い!!単調かつタイトなドラムも完璧!!B級も極めればA級になる!!クルクルモッシュして最高でした!!

8、SYSTEMATIC DEATH
好きなバンドではあるのですが休憩タイムに使わせてもらいました。この後にアブラハムが控えているのだもの…。曲はいつも通り。過去の曲が盛り上がるのは勿論として、最近の曲もかっこいいと思うんですけどね。

9、ABRAHAM CROSS
個人的には青春時代に聴いていたバンド。5、6年前にはBREAK FASTとか、ANGEL O.Dとかが一緒に出るイベントがあって、あれは未だに忘れられません。

ボーカルのソウジロウさんのお洒落な感じは変わらず。ハットなんて被って、姿形こそ変わりましたが、オーラが変わらないというか…。

曲に関してはかっこよかったですが、少し思い出補正がかかっていた気がします。期待通り、でも期待以上ではない、みたいな。でも幸せな時間でした。相変わらずアブラハムのモッシュピットはガタイのいい人達に囲まれて、数年前と同じように怖くて入れませんでした。

10、FRAMTID
関西の重鎮登場。最近の曲も悪くない。しかしなんだかんだ聴き漁った1stの曲が燃える。恐らく皆さんも同じなのでしょう。初期の曲が始まるなり大暴れでした。でも今も素晴らしい曲を作っているバンドの新しい曲が盛り上がらないのは、少し悲しくも思います。

久しぶりに見れて楽しかったぁ~。

11、DOOM
もう、この辺りから疲れが限界値に達そうとしていました。それを知ってか知らないでかわかりませんが、DOOMさんが遅めの曲から徐々にテンション上げてってくれたので助かりました。

DOOMって私の中では割とどうでもいいバンドで、クラストは好きですが、80年代のクラストゴッドはDEVIATED INSTINCTだと思ってます。ENTも割とどうでもいいんです。

そう言いながらも2000年代の音源も集め、MCRのVHSから、CD & DVDの「BACK & GONE」なんかも持ってるのですが、映像で見たライブは良く言えば硬派、悪く言えば退屈なイメージがあって全然期待してなかったんですよね。

だからこそカッチリした音像と、曲の良さ、大御所ならではの迫力に圧倒されました。単調なリフの繰り返しなのにどうして飽きないのか?これは本当に凄い事です。昨今のバンドと比べたら「激しさ」だけで言えば、そこまでではない方、だと思います。しかし無駄な音を削いだ核は、あまりにも強烈なのでした。シンプルイズベスト、これぞ真実のハードコア!!

UKの大御所、貫禄のライブでした。

12、CRIPPLE BASTARDS
個人的に本当に楽しみにしていたクリバス。先ず、クリバスの音源は全て素晴らしいです。初期のノイズグラインドから、後期のリフの輪郭が出てきたものまで。そしてリフが変です。まず思いつかないような音を出します。曲の展開も滅茶苦茶です。

これはイタリアという国だからこそ出せると思っていますし、メタル以前にハードコアの影響が強い音楽だというのがあげられます。WRETCHEDみたいなリフのバンドを生み出した国ですからね。

そんなクリバスですが日本での知名度はほぼ皆無です。思い出してみたらRelapseという大御所レーベルからのリリースはあったものの、国内盤のリリースが今まで無い。それなのに日本のフェスでトリを努めるというのは無謀ですね(笑)。

でも私は2003年に出た「Desperately Insensitive」ってアルバムは超聴きまくってて、これぞグラインドの頂点だぐらいに考えていたんですよ。楽しみじゃないわけがないです。

そしていざ始まってみると…「曲がわかんねーのに曲展開が複雑過ぎてのれない!」、「のりたいけど事前に首振りすぎて硬直してる!」という多数の惨事が発生。

結局、少し離れたところでピクピクしながら見てました。「Desperately Insensitive」のアルバムの曲も記憶にある限りでは2曲、その他にも初期のショートカットな曲もやってくれて、意外と満遍ない時期からの曲選で嬉しかったです。

【総評】

個人的に超楽しかったのはABIGAIL。でもライブ自体の内容の素晴らしさでいったらDOOMかDISGUSTに軍配があがるかな…。何にしても長過ぎて疲れました。しばらくエクストリームな音楽は聴きたくありません。また次の日になれば聴くのでしょうけれど…。