$ぷんぷん臭う糞みたいなロック
・流血ブリザード/わしのイチモツ

しばらく動きのなかったカルトパンクレーベル、殺害塩化ビニールですが、2000年代も後半に突入する頃になり、突如殺害に在籍し始めたバンドがいます。それが隆家ブリザードで、1stアルバム「わしのイチモツ」をリリースしました。

2000年代前半から後半は殺害所属アーティストが少なく、マッド・エース等の人気者も一時在籍しましたが、バンド名改名と共にレーベルを抜けてしまいました。後に入ったリンパ腺破裂もヴィジュアル系関係からの支持が厚い分、昔からの殺害が好きな人やパンクスにはいまいち支持されていなかったような…。

そんな中で登場した過激なバンドがこちらの流血ブリザードです。何度かライブを見させていただいてますが、物を投げたり客席に飛び込んだりの過激なパフォーマンスは、しっかりと振り切って馬鹿をやっており、久しぶりに殺害塩化ビニールらしいバンドが現れたと感じました。

そしてこちらの音源なのですが、歌詞や、歌詞解説を読む限り、ボーカルのユダはふざけたふりして相当真面目な人です。自分なりのパンクに対するしっかりとした思いが伝わってきます。

「努力したって負けたら意味なし 結果で全てを決められる(中略)悪知恵使って這い上がれ」と歌う「勝てば官軍」。

客とセックスしまくるバンドマンに対する批判を歌った「DIRTY FUCK」。今のパンクの閉鎖的な世界に対する批判を歌った「公衆便所」等は非常に共感出来ますし、音よりも、歌詞に説得された久しぶりのバンドでした(笑)。

1曲1曲、きちんと歌詞に対する説明がユダから記載されており、こういうのも好感が持てます。最近のバンドは自分よがりな歌詞で、何の事やらわからなかったりしますから、こういう説明は必要だと思います。

サウンドはハードコアとは言え、色々なパロディも含めてバリエーション豊か。個人的にはキャッチーなリフやコーラス等からはTHE CASUALTIES等のストリートパンクや、フィンランドのメロディアスなハードコアからの影響を感じます。

ふざけているようで、意外や意外、本格的で、物の考えもしっかりとした人達なのでした。

ちなみに画像のアートワークは2nd pressの物で、1st pressを見ていないのでわかりませんが、収録曲は変わらずに、2ndはジャケットが変更され、歴代メンバーが紹介されたブックレットの内容になっているそうです。Amazonのリンクで見れる画像は1stですが、2013年10月現在、在庫がないようですね。わしのイチモツ/殺害塩化ビニール

¥価格不明
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