佐々木です。
7/6,7/7に行われるシュティリアルテ音楽祭でのコンサートは、ウィーンからほど離れたシュタインツ教会で行われます。
今日はバスでウィーンからシュタインツへ移動。午後にマエストロとオーケストラと、夜はソプラノのソリストもいらしてのプローべ(リハーサル)がありました。
  



バス停に8:15集合。
早めに行って、到着したメンバーに朝の挨拶をしながらもう一度名前をお聞きします。今回のオンステージメンバーは36人。解散までに全員を覚えるのが目標です。




バス出発。都市を離れ、次第に緑豊かな風景に。「シュタインツは美しいところよ!」と皆さんが口を揃えて教えてくれた通りです。




SAのカウンターで皆さんががコーヒーを飲んでいます。買い方が難しい(伝票をお土産屋さんのレジまで持って行って後払い)。団員の方に何度も聞いて助けて頂き、何とか買えました。





ホテルにチェックイン。ウィーンのヒストリカルな建築に対し、こちらは低くてかわいい建物がたくさん。少し坂を登ると、あった!シュタインツ教会です。





教会に入って並びの確認。内装の美しさにハッと息を呑みました。所狭しと彫刻や絵画、ステンドグラスが並びます。祭壇はもちろん、高い天井にも、左右の壁にもびっしりと。あちらこちらと見渡しては見惚れてしまいます。この場所は神のつくりたまいしところ…というLocus isteの歌詞が頭をよぎります。




一度教会を出て練習します。オルトナー氏は昨日の練習を最後に音楽祭には帯同せず、副指揮?のミハルさんという方が練習を進めて下さいます。昨日のオルトナー氏の練習は、アーティキュレーションを明快につけることを中心に、曲の持つ力を最大限に引き出す練習でした。テキストや音楽の声を聞き、その音楽に至った理由を読み解いて、1番生き生きする形になるよう曲と会話しているようなレッスン。そのメソッドを継いで細かなところを詰めていきます。



マエストロのジョルディ・サバール氏とオーケストラによる午後のプローべ。オルトナー氏が呼び覚ました曲本来のエネルギッシュな力を、静かな祈りでゆっくりと包んでいくように感じる穏やかな指揮です。合唱もオーケストラも、無理のない音量で(その分ものすごく身体を使っていますが)、伸びやかに音楽が進み、歌っているのに心はどんどん静かになっていきます。お客さまや自分たちのためでなく、明確に神さまをイメージして、今心から神さまに向かって音楽をしているのだ、と皮膚感覚で感じました。



合間で買い物へ。リンゴをそのままカゴに入れてレジに持って行ったら店員さんが困っている…団員の方が正しい買い方を教えてくれました。(先に袋に入れて重さを測る→シールをはってレジに持っていくものだったよう)



小休憩は外の広場で思い思いに。プロの隣で歌う、英語で話す、ドイツ語を聞き取るなど、何かと上手にはできないことばかりなので、つい自分の心を閉じてしまいそうにもなりますが、かつて渡欧した先輩が「オープンマインドで!」と合言葉のように言っていたことを思い出し、お菓子を片手に皆さんに話しかけに行きます。全員が笑顔に笑顔で応え色々な話をして下さり、その度勇気を出して良かったなと思います。自分が心を開き続けている分だけ、他者との関係の中で自分も相手も明確に立ち上がる、生き生きと存在し出す、という経験をしています。(上手く言えないのですが)。




夜のプローべ。通し→数点ダメ出し、を一曲ごとに繰り返します。

Miriam Kutrowatzさんと言うソプラノのソリストの方が素晴らしく、音と音の間の時間が有機的に伸び縮みして聞こえます。耳が慣れてくるとコーラスの残響が床から天井へふわりと湧き出てくるのが聞こえます。
祭壇はピンク色にライトアップ。時間ごとに、教会の鐘がゴンゴンと鳴り体に響きます。「Jesu,Christe…」と歌いながら、後方高くに敷かれたステンドグラスのキリストと目が合います。あたたかな眼差しで常に見つめられながら歌っているようです。五感から体感したことのない時間がなだれ込んできます。何という経験でしょうか。上手く言葉にできません。

長くなってしまいました。
明日は午後からプローべ、夜にゲネプロがあります。午前中はどうしようかな。朝食会場で皆さんにおすすめの過ごし方を聞いてみようと思います。