〝弱冠〟と〝立年〟という言葉が「九成宮醴泉銘」に出てきます。


〝弱冠〟とは、二十歳のことです。古くは男子二十歳に達すればこれを成人と為して冠礼を行いました。ただ身体はなお未熟であることから、これを〝弱冠〟と言ったのです。



一方、〝立年〟は、三十歳のことです。


これは、「論語・為政第二」より由来します。

〝三十而立〟(三十になって独立した立場をもち、)

いわゆる、而立、自立に同じです。


この二つの言葉は「九成宮醴泉銘」では太宗皇帝のことを言っているのですが、こと〝立年〟に関しては、太宗皇帝が唐の二代目の皇帝として即位したのがほぼ三十歳の時だったので、ここでこのような表現を使ったとも言われています。