道内ホテル・旅館、国内からの集客に活路 避暑や道内客 | くしろぐ

道内ホテル・旅館、国内からの集客に活路 避暑や道内客

東日本大震災の影響で外国人を中心に観光客が激減するなか、道内のホテル・旅館が首都圏からの避暑需要取り込みや道内客の掘り起こしに力を入れている。各社は割安な連泊プランの販売で首都圏から長期滞在客を呼び込む一方で、道内客向けには穴場の名所を巡るバスツアーなどを発売。底堅い需要が見込める首都圏や道内の客を取り込み、低迷する稼働率の底上げを目指す。

鶴雅グループ(釧路市、大西雅之社長)は6月から10月中旬まで、食事を省いた割安な連泊プランを提供する。阿寒湖温泉(釧路市)や支笏湖温泉(千歳市)など6施設で導入し、首都圏から避暑目的で来道する家族客が手軽に長期滞在できる環境を整える。

従来は一人あたりの料金に宿泊代と食事代を含めていたが、連泊プランでは客室単位で課金する。4連泊以上で1部屋1泊あたり1万3000~3万円に設定し、家族で泊まると一人あたりの料金が割安になるようにする。

ホテルにあるレストランの食事では料金がかさむため、6施設で計50の客室を改装して自炊できるキッチンを備える。レストランでも長期滞在客向けに割安な食事メニューを提供していく。

首都圏では節電対策で夏場に長期休暇をとる企業が増える一方、商業施設や家庭で冷房を抑える傾向が強まる見通し。

避暑を求めて「冷涼な気候の北海道に長期滞在する人が増える」(鶴雅の大西社長)と期待する道内観光業者は多い。トーホウリゾート(札幌市、唐神昌子社長)は登別温泉(登別市)など6施設で連泊プランを導入する計画。7泊8日の3食付きで1人あたり合計6万円弱を想定し、通常より2割ほど安くする。野口観光(登別市)も長期滞在客向けの宿泊プランを検討している。

一方で北海道の観光客の約9割を占める道内客の需要を掘り起こす動きも活発化している。ホテル運営のアンビックス(札幌市、前川二郎社長)はバス会社と組んで、自社ホテル周辺にある穴場の観光地を巡るバスツアーを用意した。日帰りと宿泊を合わせて、年内に約2万人の利用を見込む。

旅行会社のシィービーツアーズ(同、戎谷侑男社長)も大型連休中に道内客向けのバスツアーを催行する。

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819491E0E2E2E2E78DE0E2E2E6E0E2E3E39EE6E3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E2E3E0