2011統一地方選・北海道:激戦区から/3 道議選 /北海道
◇自民と大地争い激烈--釧路市
◇民主党内に深い亀裂--北見市
「山崎晃の戦いは新党大地の戦いであり、鈴木宗男の戦いだ」。4日夜、釧路市内のホテルで開かれた無所属の山崎晃氏の激励会。同党代表代行の浅野貴博衆院議員は、支持者ら約800人を前にきっぱりと宣言した。
道議選釧路市区(定数4)は、現職3人と新人3人が立候補。全陣営が「だれが当選してもおかしくない」と口をそろえる。特に、前回(07年)は自民党現職だった蝦名大也・釧路市長の「空席」をめぐる保守系3人の争いは激烈だ。
自民は現職の小畑保則氏と新人の笠井龍司氏で「2議席維持」を目指すが、支持基盤が一部重なり、新たな票の掘り起こしが必要。大地は山崎氏を「蝦名後継」として推薦。鈴木氏が服役中の今、党勢の命運を懸ける。
山崎氏の陣営は、民主党との協力関係を当初模索したが、大地が知事候補の木村俊昭氏の推薦を撤回して以降、不透明感が漂う。民主も政権への逆風を受け、橋本豊行氏の再選に総力を集中せざるを得ない状況だ。
一方、戸田芳美氏の3選を狙う公明党は、支持基盤を固める一方、前回衆院選で伊東良孝氏の勝利を実現させた自民との協力関係にも期待する。共産党の松永俊雄氏は、民主や自民に失望した有権者の「受け皿」をアピール。初の議席獲得を目指す。
さらに、かつて鈴木氏の秘書を務めた蝦名市長の動向も焦点。告示の1日朝には、山崎氏の出陣式前に選対事務所を訪れ「山崎さん1人だけを応援して選挙活動をしていきたい」とあいさつした。だが、「市長という立場上、選挙では動けない」(自民陣営幹部)との声も出ている。
■ ■
「道議は、長く北見に住む鳥越さんに」。民主の松木謙公衆院議員(道12区)は2日、北見市内で、道議選北見市区(定数2)の鳥越良孝氏の応援のためマイクを握り、声を張り上げた。
鳥越氏は鈴木氏の元秘書。鈴木氏の支援を受けて09年の衆院選で当選した松木氏は民主党道連に掛け合い、鳥越氏の推薦を取り付けた。一方、長南幸子氏を担ぎ出した党北見支部は「衆院選での恩をあだで返すのか」と松木氏に怒りをぶつける。連合北見の幹部は「次期衆院選で労働界は松木氏を支援しない」と言い切る。
長く衆院議員秘書を務めてきた長南氏は昨年7月の参院選後に北見に移住。政策通をアピールするが、「知名度不足」と陣営は焦りを隠さない。連合北見は「市議選との連動ではないだけに、組織の広がりが今ひとつ」と気を引き締め、労組票の取りまとめに力を注ぐ。
鳥越氏の出馬に神経をとがらせるのは長南氏の陣営だけではない。自民の船橋利実氏後援会の一部は鳥越氏を市議時代に支援していた。船橋氏の陣営幹部は鳥越氏に対し「近親憎悪に近い。一票一票、つぶしをかける」と語気を強め、支持基盤固めに懸命だ。【山田泰雄、渡部宏人】
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110406ddlk01010263000c.html
◇民主党内に深い亀裂--北見市
「山崎晃の戦いは新党大地の戦いであり、鈴木宗男の戦いだ」。4日夜、釧路市内のホテルで開かれた無所属の山崎晃氏の激励会。同党代表代行の浅野貴博衆院議員は、支持者ら約800人を前にきっぱりと宣言した。
道議選釧路市区(定数4)は、現職3人と新人3人が立候補。全陣営が「だれが当選してもおかしくない」と口をそろえる。特に、前回(07年)は自民党現職だった蝦名大也・釧路市長の「空席」をめぐる保守系3人の争いは激烈だ。
自民は現職の小畑保則氏と新人の笠井龍司氏で「2議席維持」を目指すが、支持基盤が一部重なり、新たな票の掘り起こしが必要。大地は山崎氏を「蝦名後継」として推薦。鈴木氏が服役中の今、党勢の命運を懸ける。
山崎氏の陣営は、民主党との協力関係を当初模索したが、大地が知事候補の木村俊昭氏の推薦を撤回して以降、不透明感が漂う。民主も政権への逆風を受け、橋本豊行氏の再選に総力を集中せざるを得ない状況だ。
一方、戸田芳美氏の3選を狙う公明党は、支持基盤を固める一方、前回衆院選で伊東良孝氏の勝利を実現させた自民との協力関係にも期待する。共産党の松永俊雄氏は、民主や自民に失望した有権者の「受け皿」をアピール。初の議席獲得を目指す。
さらに、かつて鈴木氏の秘書を務めた蝦名市長の動向も焦点。告示の1日朝には、山崎氏の出陣式前に選対事務所を訪れ「山崎さん1人だけを応援して選挙活動をしていきたい」とあいさつした。だが、「市長という立場上、選挙では動けない」(自民陣営幹部)との声も出ている。
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「道議は、長く北見に住む鳥越さんに」。民主の松木謙公衆院議員(道12区)は2日、北見市内で、道議選北見市区(定数2)の鳥越良孝氏の応援のためマイクを握り、声を張り上げた。
鳥越氏は鈴木氏の元秘書。鈴木氏の支援を受けて09年の衆院選で当選した松木氏は民主党道連に掛け合い、鳥越氏の推薦を取り付けた。一方、長南幸子氏を担ぎ出した党北見支部は「衆院選での恩をあだで返すのか」と松木氏に怒りをぶつける。連合北見の幹部は「次期衆院選で労働界は松木氏を支援しない」と言い切る。
長く衆院議員秘書を務めてきた長南氏は昨年7月の参院選後に北見に移住。政策通をアピールするが、「知名度不足」と陣営は焦りを隠さない。連合北見は「市議選との連動ではないだけに、組織の広がりが今ひとつ」と気を引き締め、労組票の取りまとめに力を注ぐ。
鳥越氏の出馬に神経をとがらせるのは長南氏の陣営だけではない。自民の船橋利実氏後援会の一部は鳥越氏を市議時代に支援していた。船橋氏の陣営幹部は鳥越氏に対し「近親憎悪に近い。一票一票、つぶしをかける」と語気を強め、支持基盤固めに懸命だ。【山田泰雄、渡部宏人】
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110406ddlk01010263000c.html