4候補道内奔走 知事選
知事選が告示されて10日目の2日。現職は体調不良で前日に続いて選挙運動を休止する一方、新顔3人は道内各地でマイクを握って政策を訴えた。原発問題を積極的に取り上げる新顔3氏に対し、実績を強調する現職。東日本大震災の影響から、いつもとは少し異なる選挙戦。10日の投開票日に向かう候補者たちの戦いぶりを追った。
◇
鰹谷忠60無新〈元〉道副議長
宮内聡48無新〈共〉共産党道役員
高橋はるみ57無現(2)〈自〉〈公〉〈元〉道経産局長
木村俊昭50無新〈民〉〈社〉〈国〉〈元〉農水省職員
(届け出順、〈 〉囲み政党は推薦、( )内はは当選回数、年齢は投開票日現在)
◇
■高橋氏 握手で政策訴え
「現職知事としての責務を果たしてきました。ご支持をよろしくお願い致します」。2日夜、釧路市内のホテルでの演説会。約800人の会場に、不在の高橋はるみ氏(57)の電話の声が流れると、会場は大いに沸き返った。
高橋氏は遊説を終えた3月31日夜、38度超の熱が出て、1、2日の選挙運動を取りやめた。「公務と遊説で疲れ、風邪をひいた」(陣営)という。
3月30日、知事選中は初という臨時道議会が開かれた。大震災支援の補正予算案の審議。閉会後、「選挙のための空白は許されない」と責務を強調した。
その前日の29日。高橋氏は道南を駆け回っていた。旧大野町の庁舎前。自転車が倒れるほどの強風の中、高橋氏はTPP(環太平洋経済連携協定)を意識してか、「北海道、この北斗の農業、水産業をしっかり守り、向上させていく」。
正午過ぎ。七飯町役場前に集まった約200人の一人ひとりと握手した後は、「地域にこだわり、地域と共に歩んできた。北海道の価値を世界に発信していきたい」と訴えた。
多くを回り、多くの人と握手する――当初は道内165市町村を回る計画だった。3日も静養にあて、4日以降に遊説を再開させる予定だが、「戦略は何ら変わらない」(陣営)。
■木村氏 演説1日10カ所
旭川市中心部の買い物公園。木村俊昭氏(50)は1日夕、「原発に頼らず、自然エネルギーに転換しないといけない」と、脱原発を訴えた。2001年に施行された道の条例で「脱原発」がうたわれていることを指摘し、「8年間で一向に進んでいない」と、高橋はるみ知事を批判した。
大震災後、原発問題を取り上げて、知事との違いを見せる。道内で深刻な医師不足とともに、「命にかかわることだ」と通行人に呼びかけた。
政策の柱を「道民の命を守る」「道民の生活を守る」「179市町村の『できる』を応援する北海道をつくる」の3点に絞った。
告示日以降、農協や市町村役場を中心に、多い時は1日10カ所以上で街頭演説を重ねる。1日に告示された道議選に立候補した民主党の公認候補らと、個人演説会も開く。
2日、農業が基幹産業の深川市。菅政権が検討を進めていたTPPに触れ、木村氏は「TPPはぶれずに反対です」と、立場を鮮明にした。
3日昼には札幌・大通公園で集会を開き、4日からは小樽や室蘭、苫小牧などを回る。7日からは大票田の札幌市内に戻り、街頭で支持を訴える。
■宮内氏 まず震災見舞い
前回知事選に続く挑戦の宮内聡氏(48)は告示日以降、道南や道東などを回った。街頭演説や集会では、冒頭に必ず大震災の被災者への見舞いの言葉を述べ、演説の半分を原発問題に費やす。
3月30日、釧路市内のスーパー前。買い物客ら約30人を前に、宮内氏は「震災で原発の危険性が明らかになった。これまで日本の原発は災害は起きない、事故は起きないという『安全神話』に寄りかかっていた」と声を張り上げた。
訴えるのは、太陽光や風力など自然エネルギーの活用。「原発頼みのエネルギー政策を切り替えなければならない。この北海道から原発をなくしていこう」と語りかけると、聴衆から一斉に拍手が起きた。
■鰹谷氏 遊説短縮の配慮
大震災に配慮し、選挙戦の遊説時間を朝晩の計3時間短縮した鰹谷忠氏(60)。午後6時以降は、支持者や企業を回って地道に支援を求めている。「新顔なので街頭で露出したいが、やりようがない」と陣営関係者は話す。
動員をかけた街頭演説も自粛しているが、先月27日は違った。地元の網走市卯原内で午後5時前。雪が降る中、鰹谷氏は集まった支持者約50人を前にマイクを握った。
演説は約17分間。そのうち、7分ほどを脱原発や災害対策に力を込めた。
「放射能が空中に飛散し、海水が汚染されたら、北海道中で農業や漁業ができなくなる。『脱原発』を公約で一番早く書いたのは私。具体的に明記している候補はおりません」
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001104030003
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鰹谷忠60無新〈元〉道副議長
宮内聡48無新〈共〉共産党道役員
高橋はるみ57無現(2)〈自〉〈公〉〈元〉道経産局長
木村俊昭50無新〈民〉〈社〉〈国〉〈元〉農水省職員
(届け出順、〈 〉囲み政党は推薦、( )内はは当選回数、年齢は投開票日現在)
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■高橋氏 握手で政策訴え
「現職知事としての責務を果たしてきました。ご支持をよろしくお願い致します」。2日夜、釧路市内のホテルでの演説会。約800人の会場に、不在の高橋はるみ氏(57)の電話の声が流れると、会場は大いに沸き返った。
高橋氏は遊説を終えた3月31日夜、38度超の熱が出て、1、2日の選挙運動を取りやめた。「公務と遊説で疲れ、風邪をひいた」(陣営)という。
3月30日、知事選中は初という臨時道議会が開かれた。大震災支援の補正予算案の審議。閉会後、「選挙のための空白は許されない」と責務を強調した。
その前日の29日。高橋氏は道南を駆け回っていた。旧大野町の庁舎前。自転車が倒れるほどの強風の中、高橋氏はTPP(環太平洋経済連携協定)を意識してか、「北海道、この北斗の農業、水産業をしっかり守り、向上させていく」。
正午過ぎ。七飯町役場前に集まった約200人の一人ひとりと握手した後は、「地域にこだわり、地域と共に歩んできた。北海道の価値を世界に発信していきたい」と訴えた。
多くを回り、多くの人と握手する――当初は道内165市町村を回る計画だった。3日も静養にあて、4日以降に遊説を再開させる予定だが、「戦略は何ら変わらない」(陣営)。
■木村氏 演説1日10カ所
旭川市中心部の買い物公園。木村俊昭氏(50)は1日夕、「原発に頼らず、自然エネルギーに転換しないといけない」と、脱原発を訴えた。2001年に施行された道の条例で「脱原発」がうたわれていることを指摘し、「8年間で一向に進んでいない」と、高橋はるみ知事を批判した。
大震災後、原発問題を取り上げて、知事との違いを見せる。道内で深刻な医師不足とともに、「命にかかわることだ」と通行人に呼びかけた。
政策の柱を「道民の命を守る」「道民の生活を守る」「179市町村の『できる』を応援する北海道をつくる」の3点に絞った。
告示日以降、農協や市町村役場を中心に、多い時は1日10カ所以上で街頭演説を重ねる。1日に告示された道議選に立候補した民主党の公認候補らと、個人演説会も開く。
2日、農業が基幹産業の深川市。菅政権が検討を進めていたTPPに触れ、木村氏は「TPPはぶれずに反対です」と、立場を鮮明にした。
3日昼には札幌・大通公園で集会を開き、4日からは小樽や室蘭、苫小牧などを回る。7日からは大票田の札幌市内に戻り、街頭で支持を訴える。
■宮内氏 まず震災見舞い
前回知事選に続く挑戦の宮内聡氏(48)は告示日以降、道南や道東などを回った。街頭演説や集会では、冒頭に必ず大震災の被災者への見舞いの言葉を述べ、演説の半分を原発問題に費やす。
3月30日、釧路市内のスーパー前。買い物客ら約30人を前に、宮内氏は「震災で原発の危険性が明らかになった。これまで日本の原発は災害は起きない、事故は起きないという『安全神話』に寄りかかっていた」と声を張り上げた。
訴えるのは、太陽光や風力など自然エネルギーの活用。「原発頼みのエネルギー政策を切り替えなければならない。この北海道から原発をなくしていこう」と語りかけると、聴衆から一斉に拍手が起きた。
■鰹谷氏 遊説短縮の配慮
大震災に配慮し、選挙戦の遊説時間を朝晩の計3時間短縮した鰹谷忠氏(60)。午後6時以降は、支持者や企業を回って地道に支援を求めている。「新顔なので街頭で露出したいが、やりようがない」と陣営関係者は話す。
動員をかけた街頭演説も自粛しているが、先月27日は違った。地元の網走市卯原内で午後5時前。雪が降る中、鰹谷氏は集まった支持者約50人を前にマイクを握った。
演説は約17分間。そのうち、7分ほどを脱原発や災害対策に力を込めた。
「放射能が空中に飛散し、海水が汚染されたら、北海道中で農業や漁業ができなくなる。『脱原発』を公約で一番早く書いたのは私。具体的に明記している候補はおりません」
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001104030003