道外便 物流混乱続く 引っ越しパンク 宅配クール品制限も | くしろぐ

道外便 物流混乱続く 引っ越しパンク 宅配クール品制限も

東日本大震災による、北海道と本州を結ぶ物流の混乱が続いている。道路網は徐々に復旧が進んでいるが、繁忙期を迎えた引っ越し各社はガソリン不足の影響もあり、対応し切れていない状態だ。海産物などを扱う通販業者も、冷蔵便の制限の影響を受けている。

ヤマトホームコンビニエンス(東京)によると、この時期は平均の3倍の引っ越しが集中するが、トラックで東北を縦断する場合、途中で燃料補給が難しい。このため、すぐ使用する必要最小限の荷物だけにしてもらったり、何段階かに分けて配送するなどの対応を客に頼んでいるという。

サカイ引越センター(大阪)も「ガソリンが入手できなくて、全部の注文を受けるのは難しい」と話す。

こうした状況を受け、春の人事異動を予定していた会社が赴任延期を検討するケースも。港湾運送の三ツ輪運輸(釧路市)は、8日に4月1日付の異動を発表した後に震災が発生。仙台営業所なども対象だったが、田中彰総務課長は「北関東などの異動も含め再検討する」と話す。

4月1日付で道内の事業所などが関連する人事異動を予定する明治安田生命(東京)も「1日着任が可能か、社内の対策本部で見極めたい」という。

一方、道内から道外への通常の宅配便は、岩手や宮城、福島など被害が大きかった地域でも配達が始まるなど流通網は徐々に回復。ただ、配達は他地域も含め通常より2~10日程度遅れる可能性があり、一部運送会社は冷蔵や冷凍品の扱いを制限している。

カニが主力というインターネット通販業者「札幌うまいどう」(札幌市西区)は「震災後、発送しているのはとろろ昆布などメール便で対応できるものが1日数件」。マルキタ北道商店(白石区)も「カニなどの海産物は、注文自体が減っている」と話す。

北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/280232.html