道内観光地は閑散宿泊取り消し続々目立つ外国人客減
3連休の初日となった19日、いつもなら本州や海外からの行楽客でにぎわう道内観光地の人出は、東日本大震災の影響で例年を大幅に下回った。宿泊施設の予約取り消しも相次ぎ、観光業界からは影響の長期化を心配する声も。客足復活の「春」が来るまで、時間がかかりそうだ。
ペンギンの雪上散歩などで冬季も人気の高い旭川市の旭山動物園。19日の来園者は昨年3月20~22日の3連休初日に比べ、半分以下となる2千人余りにとどまった。「団体の入園予約のキャンセルが、首都圏からを中心に連日10件ほどある」(同園)という。
この時期の連休なら1日5千人の利用者が見込めるというニセコアンヌプリ国際スキー場(後志管内ニセコ町)も「お客は例年の3分の1くらいに落ち込んだ」。函館市の五稜郭タワーの客数も震災後、通常の約4分の1にとどまったままだ。
宿泊施設の予約キャンセルも深刻さを増している。上川管内上川町の層雲峡温泉街にあるホテル大雪では千件を突破。その7割を台湾やシンガポールなどの海外、本州方面からが占めた。旭川市のホテル関係者は「自粛ムードが広がる中、広告や営業に力を入れることもできない」と嘆く。
台北-釧路間チャーター便の4月末までの欠航が決まった道東でも、外国人観光客の減少が目立つ。阿寒湖温泉(釧路市)や川湯温泉(釧路管内弟子屈町)など各地の宿泊施設のキャンセルは約6千件に達し、釧路観光連盟は「ゴールデンウイーク以降もどうなるか分からない」と、長期化を懸念。小樽でも「小樽運河を歩く外国人の姿をほとんど見かけなくなった」(小樽観光協会)。
国際観光旅館連盟道支部によると、加盟85軒のホテルのすべてでキャンセルがあり、これまでに計5万件を超えた。北海道観光振興機構は、震災の影響による道内観光業界の損失額を少なくとも約1千億円と試算している。
こうした中、道内を訪れる観光客は、本州での混乱を避け「癒やし」を求めに来ているようだ。
19日に妻と函館朝市を訪れた横浜市の会社員佐藤健一さん(51)は「震災後、停電で通勤電車が止まり、5時間近く歩いて帰宅したこともある。函館でおいしいものを食べて疲れを癒やしたい」と、旅行を決行した。さいたま市から友人と2人で小樽市に来た会社員佐々木綾さん(24)も「せっかくの休みだから、停電が続く首都圏を出てきました」と話していた。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/279690.html
ペンギンの雪上散歩などで冬季も人気の高い旭川市の旭山動物園。19日の来園者は昨年3月20~22日の3連休初日に比べ、半分以下となる2千人余りにとどまった。「団体の入園予約のキャンセルが、首都圏からを中心に連日10件ほどある」(同園)という。
この時期の連休なら1日5千人の利用者が見込めるというニセコアンヌプリ国際スキー場(後志管内ニセコ町)も「お客は例年の3分の1くらいに落ち込んだ」。函館市の五稜郭タワーの客数も震災後、通常の約4分の1にとどまったままだ。
宿泊施設の予約キャンセルも深刻さを増している。上川管内上川町の層雲峡温泉街にあるホテル大雪では千件を突破。その7割を台湾やシンガポールなどの海外、本州方面からが占めた。旭川市のホテル関係者は「自粛ムードが広がる中、広告や営業に力を入れることもできない」と嘆く。
台北-釧路間チャーター便の4月末までの欠航が決まった道東でも、外国人観光客の減少が目立つ。阿寒湖温泉(釧路市)や川湯温泉(釧路管内弟子屈町)など各地の宿泊施設のキャンセルは約6千件に達し、釧路観光連盟は「ゴールデンウイーク以降もどうなるか分からない」と、長期化を懸念。小樽でも「小樽運河を歩く外国人の姿をほとんど見かけなくなった」(小樽観光協会)。
国際観光旅館連盟道支部によると、加盟85軒のホテルのすべてでキャンセルがあり、これまでに計5万件を超えた。北海道観光振興機構は、震災の影響による道内観光業界の損失額を少なくとも約1千億円と試算している。
こうした中、道内を訪れる観光客は、本州での混乱を避け「癒やし」を求めに来ているようだ。
19日に妻と函館朝市を訪れた横浜市の会社員佐藤健一さん(51)は「震災後、停電で通勤電車が止まり、5時間近く歩いて帰宅したこともある。函館でおいしいものを食べて疲れを癒やしたい」と、旅行を決行した。さいたま市から友人と2人で小樽市に来た会社員佐々木綾さん(24)も「せっかくの休みだから、停電が続く首都圏を出てきました」と話していた。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/279690.html