道内40市町村に指示・勧告 避難率16%止まり | くしろぐ

道内40市町村に指示・勧告 避難率16%止まり

東日本大震災で避難指示・勧告が出された道内40市町村で、指定された避難所などに逃げた人は、対象住民約16万人のうち約16%の約2万6千人にとどまった。車などで自主避難した住民は原則含まれていないが、道は「被害はないと思い込み、避難しなかった住民が多い」と分析。避難徹底を呼びかけていく方針だ。

道によると、地震が発生し大津波警報が出された11日から12日にかけて、苫小牧市など19市町村が避難勧告、函館市など22市町が勧告よりも強い避難指示を出した。釧路管内釧路町は指示と勧告を町内で別々に出したため計40市町村となる。

避難指示を出した22市町の対象者は約9万1千人で、このうち自治体が避難所などで確認した人数は約18%にあたる約1万6千人。勧告を出した19市町村は対象者約7万3千人に対し、避難した人は約13%にあたる約9500人だった。

避難指示を出した市町村のうち避難した人の割合がもっとも高かったのは十勝管内豊頃町の74・2%。もっとも低かったのは根室管内羅臼町の2・8%だった。

羅臼町では全戸に設置している防災無線で5979人に避難指示を出したが、町内12カ所の避難所に逃げた人は168人だった。

「過去数年の津波で羅臼は大きな被害が出ておらず、『今回も大丈夫』と思った住民が多かったのでは」と担当者。16日に急きょ、各地の町内会長を集め、地域住民に危機意識の徹底を呼びかけた。

指示・勧告合わせ、函館市に次いで多い12650人が対象となった釧路町は、避難した人の割合は約5%。町は「車などで避難所以外に逃げた人もおり、実際に避難した人はもっと多い」としているが、4月の広報誌で町民に緊急時の避難を呼びかけることを決めた。

道の佐藤雅彰危機管理監は「今回の震災を教訓として、市町村と連携して防災体制を強化するとともに、道民に津波の危険性を周知徹底していきたい」と話している。

北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/279176.html