えりも、震災後初出漁 厚岸でも施設修復本格化 | くしろぐ

えりも、震災後初出漁 厚岸でも施設修復本格化

【えりも、厚岸】東日本大震災の津波で大きな被害を受けた日高管内えりも町のえりも港で16日、震災後初となる漁が行われた。釧路管内厚岸町でも厚岸湖内のカキ養殖施設を修復する作業が本格化、津波被害からの復旧が徐々に始まった。

えりも町内では、道内最大の3・5メートルの津波を記録するなどし、えりも漁協の荷さばき施設や製氷施設などが床上浸水した。その後、清掃作業などで最低限の態勢が整ったため、タコやツブ、エビなどの漁船約30隻が出漁した。例年よりやや少ない程度という。

港に大漁のタコを持ち帰った漁業者は「思ったより早く始められて一安心」とほっとした様子。えりも漁協は「応急手当てで何とか平常に戻すことができた」と説明する。

ただ、製氷施設は壊れたままで、氷は日高管内浦河町の日高中央漁協から提供を受けた。「港機能の復旧はまだ遠い」と関係者は険しい表情だった。

一方、厚岸湖での復旧作業は、カキ漁師らが16日早朝から同湖内の養殖施設で、カキの稚貝が付着したホタテ板やかごをつるすロープなどを回収。水面下にあるカキの状態などを確認した。漁師らの作業は23日まで続き、25日からは人力で回収不可能な施設をクレーン船で回収する。

厚岸漁協は16日、現時点での漁業被害額を試算、カキやアサリなどの被害は総額30億円とした。内訳はカキが15億円、アサリが12億円、漁具被害も3億円に上った。

北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/278829.html