漁船被害 十勝が道内最多163隻 | くしろぐ

漁船被害 十勝が道内最多163隻

【札幌】道は15日、災害対策本部員会議を開き、東日本大震災に関する道内被害状況を確認した。十勝管内は、5漁港の漁船総数(465隻)の35.1%に当たる163隻が被害を受けたことが報告された。被害率は十勝が最も高かった。

漁船被害の内訳は同日現在、5トン未満が95隻(総数339隻)、10トン未満が36隻(同69隻)、15トン未満が9隻(同15隻)、20トン未満が23隻(同35隻)。

このほか、十勝では道路の剥離など漁港被害が4カ所あり、事務所を含む水産関連施設28カ所も浸水や破損などの被害を受けた。岩手県大船渡市で整備中の広尾のサンマ漁船1隻(188トン)も被害に遭った。

道外支援に向け、庁内に道外被災県支援対策班を設置したことも報告された。国や県からの要請、各部・市町村の支援内容を集約し、一元的に支援を行う。

漁船に関しては、日高管内で223隻(同2009隻)、釧路管内で120隻(同2760隻)が被害を受けた。

管内漁業関連設備被害4570万円
十勝総合振興局によると、15日までに確認した漁業関連設備の被害額は少なくとも約4570万円に上っている。この金額には沈没・損傷した漁船の被害額や漁港施設自体は含まれておらず、全容が明らかになるにはしばらく時間がかかりそうだ。

現時点での被害の内訳をみると、豊頃町(大津漁港)では水没した冷蔵庫や海水滅菌装置、種苗中間育成施設、給油施設などで約2500万円、浦幌町(厚内漁港)では水没した冷蔵庫や給油施設などで約1800万円、広尾町は音調津漁港のアスファルトが剥がれたり、漁港内の道路陥没などで約270万円となっているが、種苗センターの被害額などは含まれていない。大樹町(大樹漁港、旭浜漁港)は荷さばき所や給油施設の電気系統などが被害を受けているが、金額などは明らかになっていない。

原木300本が漂流浜大樹沖に航行警報
【大樹】第1管区海上保安本部は15日午後4時ごろ、大樹町浜大樹沖に大量の原木が漂流しているとして航行警報を出し、船舶に注意を呼び掛けている。警報を受け広尾海上保安署も沿岸4町や3漁協など関連機関に航行安全情報を提供した。

同海保によると、漂流している原木は約300本。十勝港貯木場などから11日の津波で流出したと見られる。1本の長さ4メートル、直径20~30センチ程度で、浜大樹沖約10キロの海域で半径5キロ程度にわたって広がっているという。

厚内と大津漁港で沈没船引き揚げへ
【浦幌・豊頃】厚内、大津両漁港で沈没した漁船を引き揚げる予定だったサルベージ船は強風のため入港が遅れ、作業開始は、16日午後以降となった。

十勝毎日新聞
http://www.tokachi.co.jp/news/201103/20110316-0008339.php