ホッキョクグマ繁殖へ交互移動 | くしろぐ

ホッキョクグマ繁殖へ交互移動

ホッキョクグマの繁殖を進めるため、北海道旭川市の旭山動物園や札幌市の円山動物園など道内4園と浜松や大阪など道外4施設が、繁殖プロジェクトを立ち上げた。8施設が連携して、繁殖期のホッキョクグマ5頭を互いにレンタル移動させる。全国で四つの新しいペアができることになる。

◆浜松など全国8施設連携

全国で飼育されているホッキョクグマはこの10年間で61頭から45頭に減少。飼育個体数の維持が課題になっており、昨年11月には、旭山、円山の両動物園などが参加して日本動物園水族館協会内に「種別ホッキョクグマ繁殖検討委員会」を設立し、ペアリング計画や種の保存について検討を進めてきた。

繁殖プロジェクトに加わるのは、旭山、円山のほか、釧路市、おびひろの両動物園、秋田の男鹿水族館GAO、浜松市動物園、豊橋総合動植物公園、大阪市天王寺動植物公園。繁殖可能年齢が終わりに近づきつつある20歳前後のメスを中心に8施設の5頭を交流させる。

円山には豊橋からキャンディ(メス18歳)が移動し、デナリ(オス17歳)とのペア形成を目指すほか、釧路のクルミ(メス14歳)を男鹿に、円山のピリカ(メス5歳)は旭山、おびひろで飼育されている双子の1頭、キロル(オス2歳)は浜松に預ける。浜松の出産経験のあるバフィン(メス19歳)は大阪に行く。

バフィンは2日、飼育員らに見送られて大阪に出発した。一方、キロルは7日に浜松に到着する予定で、13日から一般公開される。

検討委の委員長でホッキョクグマ種別調整園である旭山動物園の福井大祐獣医師は「人気動物なので交流が進みにくいが、今後も全国的なペアの組み替えを積極的に進めて繁殖に結びつけたい」と話している。円山動物園の酒井裕司園長も「個体数の減少に危機感を持っている。少しでも可能性のあることはやっていきたい」と話している。

朝日新聞
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001103040001