屈斜路湖畔の違法伐採:社長らに1億3500万円の賠償命令--地裁判決 /北海道 | くしろぐ

屈斜路湖畔の違法伐採:社長らに1億3500万円の賠償命令--地裁判決 /北海道

◇町への請求は棄却

阿寒国立公園の屈斜路湖畔(弟子屈町)で07年、原生林の大規模な違法伐採が判明した事件で、伐採された土地を所有する不動産会社「山万」(東京)が、弟子屈町などに総額10億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、釧路地裁であった。小西洋裁判長は、町への賠償請求は棄却し、伐採したリゾート開発会社の社長で森林法違反罪で摘発された男(70)と、同社に対し約1億3500万円の支払いを命じた。

判決によると、社長は02年12月~06年10月、原告所有の土地約114ヘクタールの立木を別の木材業者に伐採させた。原告側は町の責任として(1)同社からの伐採届け出に対し、土地所有権などの審査をしないまま、伐採を認める「適合通知書」を交付した(2)伐採状況確認などの監督権限も行使しなかった--として、町にも賠償義務があると主張した。

小西裁判長は判決で「伐採の届け出制は、森林所有者の財産権を保護する趣旨と解釈できず、町の適合通知書交付が直ちに違法行為に当たるものではない」と判断。伐採された木には価値の低い物もある点などを考慮し、原告側の損害も低く認定した。

判決について同町は「町の主張が認められたと受け止めている」とコメント。原告側は「不当な判決」として控訴するとしている。【山田泰雄】

毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110223ddlk01040206000c.html