きょうのきょうみ[濃紺]
スーツを仕立てた。
毎年、春と秋に
一着ずつ仕立て
それを着回すのが
私の流儀だから
この時期に一着仕立てるのは
特別ではない。
が、
今年は少しの迷いがあり
悩んだ挙句の仕立てだった。
☆ ☆ ☆
昨今、スーツのトレンドが
大きく変わってきている。
ここ10年ぐらいの流行であった
着心地の良い
イタリアンクラシコ風なスーツから
スラントポケットが斜めで
芯地が硬いイギリス流のスーツへ。
とは言っても
イメージするほどの硬派ではなく
何となく細身でイギリス流に見えるスーツへの
トレンドの移行である。
野暮ったくないイギリスとでも言うべきか。
そんな変化を横目で見つつの仕立は
とても特別な
そしておっかなびっくりなものだ。
☆ ☆ ☆
イタリアンクラシコなスーツが
私は好きだ。
着やすく、
しかもカッコいい。
カッコつけずとも
カッコよくなる。
そんなイタリアンクラシコなスーツが好きだ。
しかし
時代は「イギリス」である。
今後数年は着回すであろうスーツを作るのに
時代錯誤は避けたい。
だからといって
流行を取り入れすぎると
数年後には古くなる。
しかも最近では
流行について行くのに
些か疲れを感じる私は
今、今年の流行を
完全には把握していない。
流行の大きな流れはわかっても
細かなディテールまではついていけない。
☆ ☆ ☆
スーツを仕立てる事と
細かなディテールで遊ぶことは
同義だ。
それなのに今回は遊べない。
わからない。
知らない。
無知とはなんと悲しいことか。
ベントをどうするかと聞かれても
「今の流行は??」と聞かざるをえない。
ボタンは??
袖は??
襟は??
ポケットは…??
無知な自分を恨む。
☆ ☆ ☆
これでは吊るしのスーツでも同じではないか??
いや、それの方がマシではないか??
生地がしっかりしていて
腕の感覚がしっくりくれば
それで十分ではないか??
そんな事を考える32歳の秋、
残念な私である。