先日、32歳独身の大学の後輩と話す機会がありました。
彼は、一部上場の企業に勤め年収は1000万近くある
世間的には条件が良い方の人間です。
彼は結婚する気もあるし、両親からはいい加減に結婚してくれと
泣かれたと言う程、家族も結婚を切望しています。

しかし、彼は独身です。
何故か?結婚相手に求める条件の中に隠れ条件が設定されているからです。
付加条項と言っても良いかもしれません。所謂但し書きです。
彼に結婚相手に求める条件を3つ言ってもらいました。
・煙草を吸わない
・太っていない
・金遣いが荒くない
別途年齢は35歳までと言う条件は付きましたが、
まあ、この程度なら5万と相手はいるはずです。

では、条件に合致しない隠れフィルターはどこで張られているのか?
それは見た目、つまり顔の条項です。

女性でも結構いると思います。
・そんなにお金がなくても良い。
・学歴も将来性もそれほど気にしない。
・ある程度駄目男でも大丈夫。
但し!イケメンに限る!

このただし書きが結婚の条件3つに入っていないのです。
つまり、結婚の条件を挙げろと言うと、見た目と言う条件を入れないで
他の条件を3つ挙げる訳です。
でも、結局は顔でNG判定を出す。

何故か?これは見栄です。
男性でも女性でも同じです。
周囲から羨ましがられたいから。です。
結婚相手に求めるものが自分を満足させる事なわけです。
こういう方の特徴は利己主義だと言う事です。
結局どこまでいっても自分第一主義なわけです。
結婚するにはある程度相手を尊重しないといけません。
それがなかなか出来ないわけです。

そして最も残念な事は、
その相手がいなければ結婚できないのも仕方ないと言ってしまうところです。
自分は結婚には向かないんだと思ってしまったり、
良い相手と巡り合わないんだと言ってしまうわけです。

そうです。自分を変えようなんて気がサラサラないんです。
こういう言い方は失礼かもしれませんが、
好条件にも関わらず結婚出来ない人は何かしら
結婚するにあたって致命的な欠陥がある事が多いです。

長所も短所もその人の特徴なので
ある程度結婚においては理解する事が必要ですが、
「それはないだろ?」
と言う致命的な欠陥を抱えているとやはり敬遠されてしまうものです。

もう一度自分を見つめ直してみましょう。
人は変わろうと思えば変われます。
生涯未婚率の話はこれまでもしてきましたが、
数字を見る限りでは今後も生涯未婚率は上がりそうです。
と言ってもここ10年くらいの話ですが。

これまでも40歳を過ぎると結婚出来るチャンスはかなり低くなると言う事を
書いてきました。
生涯未婚率とは50歳での結婚経験のない人の割合です。
つまり、50歳以上は誤差なわけです。

若い世代が未婚率が高いのは当然なので、
長い話になると一概に言えませんが、
40代以降はほとんど未婚率は変わらないと考えると、
その状況は危機的です。
数年前の男性のデータを参考にお話します。
年代別男性未婚率
55~59歳:9.8%
50~54歳:14.1%
45~49歳:17.2%
40~44歳:22.1%

男性の場合、40代でも結婚する方がそこそこいるのでこの数字は変わると思いますが、
それにしても生涯未婚率(50歳での未婚率)が高くなるであろう事は
容易に想像できます。
女性に関しても男性ほど数字は高くありませんが、
傾向は同じです。

最近の20代は、バブル世代を反面教師に比較的早く結婚する傾向にあると
言う風聞は聞きますが、
実際には初婚年齢も上がり続けています。

若いうちに結婚するのが良いか悪いかは別問題として、
特に女性は若い方が結婚に有利だと言う事は間違いありません。
今後この数字が下がる事は難しいかもしれませんが、
せめてこれ以上上がらないことを望みます。
先日、ベビーカーでバスや電車に乗車する際には
たたまなくても良いと言う様なお触れが出ました。

確かに私も乳幼児2匹を持つ身としてベビーカーを使用しますので、
当事者と言えるでしょう。

ベビーカーだけに限った事ではないですが、
子育て家族を支援する事は現状では必要です。
たいていこういうのを批判する人は
大変なのはみんな同じだとか、子供をだしに楽するなとか
優遇されるな!と言う事を言います。
しかし、これは明らかに認識不足です。
子供を育てると言う事は、道徳面の問題ではなくて
国家として重要な位置づけのものだからです。

日本の将来の国力を考える事もさることながら
現在のルールでは、現役世代の年金などの社会保障費は
今の子供が面倒を見る事になります。
つまり子供がいなくなったら社会が成り立たないのです。
もっと言えば、文句言っている独身貴族も年金もらえなくなるわけです。
それを理解せずに子供を優遇するなと言っているのは
はっきり言って愚か者です。
あなたがいくら年金や税金を納めようが、
将来あなたの年金を払うのは子供です。
今、子供がいなければどれだけあなたが税金や年金を払おうが
老後にあなたが年金を受け取る事は出来ないのです。

極端な言い方をすれば、子供優遇を訴える人は
将来に対してそういう義務を果たしたうえで
権利を主張しているわけです。
案に独身でそれを批判している人は自己都合のみです。
以前にも書きましたが、
義務を果たさずに権利を主張しても誰も耳を貸しません。

現在の子供優遇の社会が嫌なら、自分で払った年金は自分で受け取れるように
日本の制度を変えるべきです。
少なくとも変えようと努力すべきです。
それもせずにただ文句を言っても単なる自己都合です。

酷い言い方をすれば、
国にとって子育てをしている人と独身の人とでは
将来も含めて価値が違うから優遇されるのです。
大変だからとか道徳的にとか言う問題ではないのです。
はっきりと区別される理由がそこにはあると言う認識がないから
そういう無駄な議論になるのです。

極論を言えば、
ベビーカーをたたむかたたまないかも含めて、
優遇されている子育て者が他者に気を遣うかどうかがモラルや道徳です。

さすがに満員電車でベビーカーたたまないで乗るのは問題あるでしょう。
明らかに邪魔ですから。

これまで書いたように
国や自治体から子育て者が優遇されるのは当然です。
しかし、子育てしていれば何でも許されると言う訳ではありません。
そこにモラルが必要になるのです。