今朝の中国新聞の文化欄(10面)に

9月の随想として作家の三田誠広さんが

音訳図書のことを寄せておられたので

全くその通りと共感を持って読みました

 

福井に居る頃、40代後半から60代半ばまで

音訳ボランティアをしていた

 

福井視覚障碍者センターには

外部の音を遮断した録音ブースが4部屋あり

自分のパソコンで録音できる

高性能なソフトウエアが出来るまでは

そこに通って録音していた

 

読むものは多岐に亘っていて

市の広報、趣味の園芸、週刊誌

俳句・川柳 小説等々

 

どの活字も必ず校正が入り

校正専門の人も居る

 

例えば小説を読むとしよう

先ず黙読で読めない漢字をチェックし

声に出してひと通り読んでみる

それから本番

読み終えたら聞いてみる

読み違えが必ずあるので訂正し

これで良しとなればセンターから校正者に渡される

 

完璧!と思って出しても

何ページ、何行目、

アクセント・読み違い・(ちょう)と読んでるが(まち)

などと細部まで訂正される

校正表が何枚もある時には

酷く落ち込みもう辞めようとさえ思う

 

校正者さんの博識はタダ者ではない

いつも感心した

 

訂正が帰って来ると録音し直し

提出する

 

そこまでが1・2か月はゆうにかかる

が、ベテランさんは半月で読めるし

月2冊もいとわない

 

50年以上されていた方は

漢字はほとんど調べなくても読めたし

全国表彰も受けられた

その方曰く

始めた頃はオープンリールを使っていたのよぉー

今はパソコンに吹き込めるし間違っても訂正が楽だし

分からない人名も検索すればすぐ分かるから便利になったわねぇーと。

 

私が入った頃

カセットからUSBになりSDになり

福井を離れる頃には

パソコンからパソコンへ直接転送になってました

 

10年余り携わったけれど

読むのは半分でほとんどがCD制作。

読まれた本をCD本に作り直す作業なんだけど

巻頭のタイトル付け、ページ付けなど

完璧に読まれたのを聞きながらするので

随分と楽に本を読ませてもらった

 

そのような作業をしていたので

音訳された本を聞くのがとても楽しいので

高齢者になれば聞けるようになればいいなぁ―と思っていた

 

著作権とか機器の環境とかで

視覚障碍者手帳を持った方でしか聞けない音訳が

高齢者でも聞けるようになるとすれば朗報です

 

そう言えば、音訳する方が年々減少し

今は機械が読み上げる性能も向上しているので

ユーザーさんも下手な音訳より機械が読む方が

分かり易いとアンケートに出てました

 

機械が読み上げる小説を枕元で聞いてる私

想像するだけでも嬉しくなります