昨年の日本のドラマのヒット作「ブラッシュアップライフ」をNetflixで見ました。放送中、同僚の同年代男性からすごく面白いと聞いていたのですが、私は転生ものなどファンタジーはあまり得意ではなくて、見る気にならなかったのです。でもNetflixでも人気なのと、娘にも薦められたのと、「VIVANT」が面白くて日本のドラマも良いかも、と感じたことから開封しました。

 

 面白かったです😆。どうなるのか気になり、夢中で最後まで見ました。やっぱりヒットするものは面白いんですね。お笑いには疎いのですが、脚本のバカリズムさんを尊敬しました。

 

 市役所に務める麻美(安藤サクラ)は、33歳で交通事故に遭って死んでしまい、死後の案内所で来世はグアテマラ南東部のオオアリクイだと告げられます。徳の積み方が少なかったために人間に生まれ変われないと言われた麻美は、今世をやり直し、人間に転生するために徳を積もうと決心します。2周目の人生では勉学に励み、薬剤師として徳を積みますが、やはり33歳で死んでしまいます。案内所で来世がインド太平洋のニジョウサバだと告げられた麻美は、3周目の人生を生きることに決め・・・

 

 脚本の巧みさと、俳優たちの演技の巧さに引き込まれ、感心しながら見終わりました。麻美と幼なじみの夏希(夏帆)、美穂(木南晴夏)はしょっちゅう一緒に遊んでいるのですが、その取り留めのないおしゃべりが後の展開にとっても自然に生きてきます。前世の記憶を持ったまま生まれ直しているので、記憶や知識を活かしてより徳を積めるように人を助ける行動をする主人公が魅力的です。それなのにやはり早世してしまうことが続き、しかもなかなか人間に生まれ変わることを許されない主人公を応援したくなります。

 

 1周目の人生では遠い存在の優等生だった(水川あさみ)も実は人生やり直し組で、それを知ってから2人で協力して夏希と美穂が遭遇してしまう飛行機事故を回避しようと努力し、ついに成功する展開が本当に痛快で、拍手喝采したいくらいでした。韓国ドラマで転生ものだと、過去の人生がとても辛いものだったり殺された復讐をするものだったり、暗い作品が多いように思いますが、これは人を助けようという前向きな努力だし、悪役は出てこないし、クスッと笑える会話が散りばめられていて本当に楽しく見ることができました。最初に来世を言い渡される場面から笑いました🤣。

 

 追い詰められて徳を積み始めた麻美ですが、それでも仕事などを通して人を助けることの尊さを描き、視聴者にも自分なりにできることをしようという気持ちにしてくれる、もっと言えば何のために生きるのかを考えさせられる作品でもあったと思います。

 

 そして俳優たちが豪華でした😆。日本の作品はあまり見ない私でも知っている女優、俳優さんたちばかり。とっても自然な演技で、ある時は楽しそうである時は頼もしくて、私もこんな幼なじみがいたらなあと羨ましくなりました。安藤サクラさんは、昔「愛と誠」というふざけた(?)ミュージカル映画で不良の「ガムコさん」を演じていた時から上手いなあと思っていましたが、やっぱり素晴らしかったです。

 

 本当に文句はないのですが、あえて言えばイケメンの男性俳優がほぼ出てこなかったことくらいかしら。松坂桃李さんはチラッと出ていましたが。これが韓国ドラマだったら、人生やり直し組の仲間にいい男がいて、絶対恋仲になったのになあ。それだけが残念だったかな。でも4人の女の友情に絞ったラストまで見事でした。食わず嫌いしないで日本のドラマも見てみようかなと思わされました。