杉並区長の岸本氏の言動については、時々文章や映像で見ていて気になっていました。

ごく最近も図書関連冊子で二人の方が「ミュニシパリズム」という言葉と共に紹介されていました。

「ミュニシパリズム」は、地域主権主義とか自治体主義と訳され、

選挙に投票で参加するだけではなく、地域の課題や問題を、地域での議論や連帯の中で育み地域自治を育んでいく直接的な社会参加・・と言う風にわたしはとらえました。

 

上記の映画はそれを具現化、体現化したドキュメンタリーだと思いました。

 

自分たちの住む町の緑豊かな静かな居住地に議論もないまま縦貫道路が出来てしまいそう・・その反対意志を支持してくれる区長を選ぶことから始まるお話です。

 

そして擁立されたのが、2か月前までイタリアでNGO職員として「公共の再生」を調査していた女性岸本聡子氏です。

 

古くから地域で筋金入りの活動しているらしい老齢の女性と公約を決める過程で、「要望書と政策は違う」と、お互いの自転車を止めての立ち話から熱く議論する岸本氏の表情は険しいものがありました。

 

この二人が笑顔で僅差での当選を喜び合う場面に思わず落涙。

 

「選挙は続くよどこまでも・・」の合い言葉のように、

区長になってからの最初の議会で、議員数の多い野党に、足を引っ張られる区長の姿に発憤した市民がした次なる行動は?

 

今まではごく普通の区民達が次々立候補し、次の選挙では過半数を超えて女性の議員が生まれます。

 

党派・立場を超えて、はちきれそうな笑顔で手を繋ぐ女性議員たち!

「自分の利益」「権力」とはほど遠いその佇まいに希望を持ちます。

 

「ミュニシパリズム」・・この言葉、ストンと胸に落ちました。

この映画は静岡ではシネ・ギャラリーで上映中です。