日本のアンデルセンと呼ばれている久留島武彦氏は1874年に大分県玖珠町に生まれました。明治・大正・昭和にかけて全国の子ども達に口演童話でお話を届けた方として有名です。教育者でもあったので、「信じ合うこと」「助け合うこと」「違いを認め合うこと」など生きるために大事なことを絵本を通して子ども達に伝え、口演して回った幼稚園や小学校は全国6000を超えるとか。
私は九州に行ったときにバスで記念館のあるあたりを通り過ぎただけで、記念館に寄れませんでしたが、緑の自然の豊かな場所でした。
『ツバメのおんがえし』(篠崎三朗 絵)は、おばあさんの家に巣を作って人間の世話になっているツバメの隼雄が、蚊の文九郎が、蛇の長兵衛に『子どもの血が一番美味しい」というのをやめさせるために奮闘する愉快な話です。それぞれに長い名前が付いているところからしてユーモラスで、久留島童話の世界に引き込まれます。
『月宮殿のおつかい』(アヤ井アキコ絵)は、『3びきのやぎのがらがらどん』の日本版ともいえますが、オオカミ、オオカミをやり過ごす方法はいかにも日本的で楽しく、やはり久留島童話だと思いました。
それぞれのイラストも内容にあっていて、ふさわしい雰囲気を醸し出しています。
普遍的な童話の世界・絵本の良さを味あわせていただきました。
2冊とも裏表紙が表表紙と繋がっているので、子ども達には両方を繋げて見せよう
と思います。