鎌倉殿の13人』、第19回「果たせぬ凱旋」を観た。

 

(いつものナレーション)

互いを認めつつ、

信じられない兄弟がいる。

政治の頼朝、戦の義経。

二人の天才が

手を取り合うことを

後白河法皇は許さない。

 

第19回「果たせぬ凱旋」

 

頼朝から鎌倉入りを拒否された九郎が京に戻った。

ここは義経の宿所。

「義経の妻」であるがために同行せねばならない里は、

鎌倉の両親や親族(比企一族)に会いたいと九郎に愚痴をこぼし、離縁を匂わす。

その時、九郎の叔父の山伏姿の行家がやってきて、頼朝は必ず攻めてくる、

頼朝に攻められる前に鎌倉を攻め入って頼朝の首を取れ、などと扇動するが、

「兄上とは戦いたくない」と九郎は逡巡する。

 

鎌倉では、広元が「法皇に九郎を受領(ずりょう)にしてもらい、鎌倉に戻す」

という策を思いついた。受領になれば検非違使を兼任できないのが狙い。

頼朝も九郎が自分の非を素直に詫びれば、戦功をねぎらいたい気持ちがあるので、

「法皇に伊予守(いよのかみ)を推挙してやろう」という。

 

その知らせを受けた九郎は静や弁慶と大喜び。

しかし法皇は九郎に前例のない検非違使と伊予守の兼任を命じ、あくまでも九郎を京にとどまらせることで頼朝と結託させないように工作し、驚き困惑する九郎。

 

「九郎に鎌倉に戻る気はないようだ」と言う頼朝に、

法皇の差し金だと九郎をかばう小四郎だったが、

自分より法皇に従う九郎が許せない頼朝は

「もう帰ってこんでいい。顔も見とうないわムキーッ」と激怒する。

 

子供たちの面倒をみている八重に会いに行った頼朝は、

自分を裏切ったが、実の弟だから許したい九郎への対処法を尋ねる。

八重はお互いを信じあう気持ちが勝る子供たちは喧嘩をしても仲直りができる、

と言い、子供と同じにするな、説教をされたとやや憤慨する頼朝。

八重「説教か嫌味の他にお伝えすることはございません」

頼朝「ふん(笑)ふふ(笑)。おまえと話して気が楽になった。

   このところ辛いことが続いた。義高だって殺したくはなかった。

   義高に死んでもらうことで…」

八重「あっ(頼朝を制する)」

頼朝の背後に大姫の姿を見つけ、逃げ出した大姫を追いかけて行く八重。

頼朝(独り言)「なんでいるかなぁ(うつむく)」

 

一方、時政、政子、義時、実衣、全成の北条一族は、

頼朝と九郎兄弟の諍いを憂いて、今後の対策を話し合っていた。

武家政権の頂に立ちたい頼朝に、法皇のいいなりになる九郎は邪魔になる。

しかし政子は頼朝の本心は九郎が愛おしくてしかたないことを知っており、

何とかしてあげたいと言う。

実衣「それができるのは姉上だけ」と言うが、

政子は最近頼朝が自分の言うことを聞いてくれないと嘆く。

時政「兄弟のことは兄弟に任せるのが一番」と言うと、少し離れて外を眺めていた

全成が話の輪に入ろうと近づくが、「蒲殿はまだ壇ノ浦」で戻っていく。

実衣「兄弟ならまだいますよ」に満を持して話の輪に入る全成。

全成は兄弟の父・義朝の供養を10月に勝長寿院で行うことになっているので、

平家討伐を報告する供養となれば九郎も出席せざるを得ないのでは?と言う。

それなら法皇の許しも得られそうだ、と意見がまとまった。

さっそく小四郎が頼朝に言いに行くと、頼朝から京下りの三善康信を紹介される。

これまで京の情勢を頼朝に伝えていた康信は、新設された問注所の執事に着任した。

康信「諍いの仲裁は得意中の得意。精一杯務めまするニコニコ

小四郎が義朝の供養に九郎を呼ぶことを提案すると、

頼朝は父・義朝も九郎が参列すれば喜ぶに違いないが、

九郎の背後に後白河法皇がいることを懸念する。

京のことをよく知る広元も同意し、さらに康信は、

法皇は昔から大きな勢力をもつ者(この場合は頼朝)に、

相対する勢力(同じく九郎)を対峙させるのを好む性質だと言う。

広元「法皇様に盾突くのはなかなか難しいかと」

そこへ藤九郎が文覚が来訪したことを告げに来た。

 

頼朝に面会した文覚は、頼朝らの父・義朝が尾張で非業の死を遂げ、

京で獄門にかけられた首級を下男の五郎という者が譲り受け、

東山の円覚寺に納めたのを文覚が突き止め、晴れて本日持参したと経緯を語る。

👆ここよくわからなかった。鎌倉の円覚寺のことなのか、京都にあったお寺なのか。

「これこそが亡き義朝公のしゃれこうべにござぁる」と恭しく(もっともらしくか)

白布に包まれた首を木箱から取り出し披露した。

頼 朝「…」

小四郎「今度こそ、本物であるという証はあるのですか」

文 覚「(消え入るような声で)ござらぬ…。されど、審議に何の意味が?」

藤九郎「意味はあると思うが…」

文 覚「(急に大声で)だまらっしゃあい!!

    平家がほろんだこの年、源氏ゆかりのこの地で、

    鎌倉殿がご供養なさるということ、

    その場に義朝殿と思しき髑髏が届けられたこと。

    鎌倉殿が本物だと言われれば、(白布に乗せた髑髏を両手で捧げ持ち)

    その刹那、この髑髏は本物となるのじゃあぁぁぁ(頼朝に見せる)」

    👆この言い回し、歌舞伎だね~

    頼朝は文覚に近づき、白布ごと髑髏を受け取った。

    それまで自分が座っていた高座に髑髏を乗せて控え、

頼 朝「父上、お帰りなさいませぇええ」と深々と座礼。小四郎、藤九郎も倣う。

小四郎はこのことを九郎に伝えたら、必ずや供養に来るはず、と言った。

 

その頃京の九郎は…静に嫉妬する妻・里と三角関係がこじれ、修羅場を迎えていた。

九郎「そういうことなんだ」

   静が九郎の子どもを宿していることを知り、打ちひしがれる里。

「あとは二人で話し合ってくれ。ほどほどにな。夜も遅いから」👈ひどいガーン

と言ってその場を立ち去る九郎。

ほどなく口論が聞こえてくる別室に待たせていた小四郎を伴い、外へ出た九郎。

父の供養に出たいに決まっているがその後は?と言う九郎に、

小四郎は鎌倉に残って頼朝に仕えるように伝えた。

 

叔父・行家は、そんな九郎に「頼朝に首を刎ねられてしまうぞ」と言い、

これまで頼朝と敵対した義仲・義高・甲斐の武田の末路を引き合いに出す。

己の身を護るためには一族でも容赦はしないのが頼朝なのだと諭す。

しかし、九郎は院の御所へ出向き、法皇に許しを請うと言い、

制止する行家を振り払って出て行った。

 

後白河「それほどまでに頼朝に会いたいか」

九 郎「(ひれ伏して座礼)会いとうございます。

    ぜひとも供養に参列しとうございます」

後白河「よかろう。行って参れ」

九 郎「はっ。ありがとうございます」

丹後局「ようございましたねぇ、九郎殿」

後白河「頼朝によろしく伝えてくれ。

    平家の世は終わった。これからは源氏の、いや武家の棟梁として

    このわしをさ、さえて…ささえ、さっさ(座ったまま倒れる)

    め、めまいが…」風雲急を告げるBGM

慌てて法皇に寄り添う鼓判官と丹後局、

九郎も驚いて近寄り脈をみるが止まっている。👈えーっ笑

後白河「(小声で)行かないで」を九郎に伝える鼓判官。

「お傍にいてあげてください」丹後局の頼みもあって、

後白河「ずっと、ずっと」

法皇直々の言葉に九郎は嫌とは言えなくなってしまった。

 

九郎が帰った後、後白河は狂言を内内にバラし笑いを誘う。

手毬をぎゅーっと腋に挟んでおくと、しばし脈を止めることができるのだという。

👆ホントですか笑!?

 

(ナレーション)

真似をしてはいけない。 👈ウケるイヒ

 

丹後局「いろんなことをご存知」

鼓判官「これでしばらくは九郎殿は京を離れることはございますまい」

後白河「頼朝は清盛になられては困るからの。そのための九郎よ。のう」

法皇が放った手毬が鈴を鳴らしながら床に転がっていった。

 

夜。その九郎は静の膝枕で… 👈膝枕好きな九郎ニヒヒ

静御前「お父上を偲ぶんならどこでもできるんと違いますか。

    別に鎌倉に行かんでも」

九 郎「父が亡くなった時、二つにもならなかった。顔も覚えていない。

    髑髏でも構わなかった。父上に会ってみたかった」

静御前「本物かどうかわからしまへんて。急に見つかるなんておかしな話や」

九 郎「それもそうか(むっくり起き上がる)」

 

(ナレーション)

この頃、京の武士の間では鎌倉を恐れ、義経を見限ろうとする者が出始めている。

土佐坊昌俊。元は奈良興福寺の僧兵だった男。

👆『草燃える』では荒井注さんがややコミカルに演じていたこの役。

 『鎌倉殿』の村上和成さんは強面で身体が大きく(186㎝/105㎏)手ごわそう。

 それもそのはず、私は存じ上げなかったけれど、総合格闘家、プロレスラー。

 ニックネームは「平成のテロリスト」。こわぁガーン

   大河ドラマの出演は『功名が辻』『麒麟が来る』に次いで3回目。

 

 里 「あの奥の部屋よ。ねぇわかってる?

    九郎さまは痛めつけるだけ。けして命は取らぬこと。

    あと顔は勘弁してあげて」

土佐坊「いくぞ(手勢に合図する)」進んで行く彼らの前に立ちふさがった里は

 里 「ねぇわかってる?女は殺していい。九郎様はだめ」

土佐坊「…」意に介さないように手勢と進んで行く。

 里 「(手勢に向かって)お願いだからね」

 

静と2人で父義朝の供養として手を合わせていると、不穏な気配に気づいた九郎が

床に豆を巻き散らし、二人で物陰に身を潜める。

土佐坊「どこへ行った?逃げられたか?」

隙を狙って逃げ出そうとした九郎と静だったが土佐坊の手勢に見つかって乱闘に。

 

物陰でその様子を見る里。その背後に行家。

事後、手傷を負った九郎を介抱する静。

行 家「間違いない。鎌倉が送ってきた刺客だ」

九 郎「兄上が?わたしを殺そうと?」

行 家「他にそなたの命を狙う者がどこにいる?」

   少し離れた所で話を聞いて何を想う里…

九 郎「血を分けた兄弟ではないか」

行 家「頼朝はおぬしが怖いのだ。源氏の棟梁の座を奪われるのが」

九 郎「はぁっ、はぁっ(息荒く)わたしはどうすれば?(身を乗り出す)」

行 家「いずれまた鎌倉の息のかかった奴らがやって来る。その前に手を打つんだ。

    挙兵するのだ」

九 郎「挙兵?」

行 家「明日(みょうにち)、共に院の御所に伺い、

    法皇様に頼朝追討の宣旨をいただく」

九 郎「兄上を討つ?」

行 家「事はもうそこまで来ているのだ。九郎、腹をくくれ」

九 郎「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…ああああああ(拳を握って突っ伏す)」

 

文治元年

1185   十月十八日

 

(ナレーション)

後白河法皇が義経たちに頼朝追討の宣旨を出したのが十月十八日。

二十二日には早馬が義経挙兵を鎌倉に伝える。

 

小四郎「九郎殿、なぜ?」

頼 朝「とんだ無駄足であったな」

小四郎「…」

頼 朝「これより全軍で京へ攻め上る」

 

頼朝の前に有力御家人が招集された。

義 澄「誠に恐れながら、戦はなりませぬ」

実 平「右に同じ」

頼 朝「九郎、再三にわたって救いの手を差し伸べたにも関わらず、

    この期に及んで挙兵という暴挙に出た。義はこちらにある」

義 澄「そういうことではございません」

実 平「強すぎるのです。わしもいろんな敵と戦ってきましたが、

    九郎殿とだけは戦いたくない」

義 実「そんなにつえぇのか?」

時 政「九郎殿とて人の子、我らが一丸となって戦えば必ず勝てる」

小太郎「九郎殿の強さを知らないからそんなことが言えるんだ。

    一度この目で見た者ならわかります。あれは鬼神だ」

能 員「一ノ谷にせよ、屋島にせよ、壇ノ浦にせよ、武名を誇った平家が

    あれよあれよという間に倒されていったのですから。やめておきましょう」

重 忠「九郎殿は戦上手なれど、我らがたやすく負けることはござらぬ。

    ただし、長い戦となりましょう」

小四郎「梶原殿」

平 三「なにゆえ皆々様がこれほどまでに九郎殿を恐れるか、

    いささか驚いておりまする」

一 同「…」

平 三「(胡坐から立膝に居直って)鎌倉殿。

    この戦、この梶原に総大将をお任せくださいませ。(実平振り返る)

    必ずや九郎殿の軍勢を破ってご覧に入れまする」

頼 朝「よくぞ申したアップ

小四郎「他の方々は梶原殿と共に戦おうという者はおられぬのですか」

一 同「…」しばらくの間

    小四郎、困った顔を平六に向ける。

平 六「(万事休すという表情で立ち上がる)都に攻め込みましょう。

    ここで起たねば、生涯臆病者のそしりを受ける。

    坂東武者の名折れでござる。違うかぁ!?

重 忠「(立ち上がって)よし、戦いましょう」

小太郎「(立ち上がって)九郎義経、何するものぞ」

一 同「お億はー」と口々に言い立ち上がる。

 

解散後、平六の一言で座の流れが変わった、と礼を言う小四郎。

この戦は負けるわけにはいかない、という小四郎に、

平六は九郎は戦わずして負けるから戦にならない、と予見する。

都で大層な人気の九郎の味方をしているのは、戦とは関わりのない人物ばかり。

命拾いした兵は無謀な戦ばかりの大将にまたついて行こうとは思わないから。

 

(ナレーション)

十月二十九日

頼朝は軍勢を率いて自ら出陣する。

それは、けして義経を許さないという意思表示。

そして、頼朝出撃の情報は全国を駆け巡る。

 

奥州では

国 衡「父上、今こそ好機にございまする。頼朝が京の九郎と戦っている間に

    鎌倉を攻め落としましょう」

秀 衡「頼朝の大軍を前に九郎に勝機はあるのか?」

国 衡「何を仰います。父上」

秀 衡「…(右斜め上方に視線を移す)早まったな、九郎」

 

京の九郎は

行 家「鎌倉勢が黄瀬川まで兵を進めたぞ。一万を超えた大軍らしい。

    どうするのだ。我らはまだ五百に満たない。これでは戦にならぬ」

九 郎「噂とは兵の数を盛るものです。実のところは恐らく二千か三千」

行 家「大軍であることには変わりはない。今日に攻め込まれたら勝ち目はない。

    これでは義仲の二の舞ではないか」

九 郎「なぜ兵が集まらない」

行 家「お前の戦に義がないからだ」

九 郎「叔父上」

行 家「挙兵はならぬと申したのに」

九 郎「叔父上が言いますか」

行 家「お前を信じた、わしが馬鹿だった(出て行く)」

    門前に繋いでいた馬の頭に右手を置いて落胆している。

 

(ナレーション)

源行家。彼を味方につけた者は必ず負けるという死神のような男。

鎌倉方に捕まり、首を刎ねられるのはこれより少し後のこと。

 

九郎はいったん九州に逃れて形成を立て直すことにし、

比企の娘である里は(ある意味人質として)連れて行くが、静とは別れを決める。

里は嬉し気に身支度のため部屋を出て行くが、残った静に九郎は

必ず迎えに行く。鎌倉方に捕まっても自分とのかかわりについてしゃべるな。

「生きたかったら黙っていろ」と諭した。

 

後白河法皇は、頼朝や義経が力をもつことを望まず、あくまでも鍔迫り合いの状態に

なるように仕向ける思惑から、姿を消した義経を見限り、

頼朝追討の宣旨を取り下げた上で、頼朝に義経追討の宣旨を出すよう

九条兼実に指示を出し兼実を混乱させた。

 

(ナレーション)

義経失踪の知らせを受け、頼朝は鎌倉へ引き返す。

 

頼朝は北条時政・小四郎父子に京で九郎を探し出して捕らえてくるように命じた。

法皇の力を借りて。時政に鎌倉と法皇の橋渡しをして欲しいという頼朝。

時 政「無理でございます」

小四郎「同感です。父にはやや荷が重いかと」

頼 朝「舅殿にはいざという時の胆力がある。

    法皇様と渡り合えるのは舅殿だけじゃ」

 

重責を任された時政は、帰宅後しきりにぼやくが、

りくに発破をかけられ、小四郎にも諭され…

 

(ナレーション)

北条時政は鎌倉武士初の京都守護として、軍勢を率いて上洛する。

 

京・院の御所に法皇を訪ねた時政・小四郎父子。

 

後白河「よう来た、時政」

丹後局「都は初めてですか」

時 政「大番役で一度来ました」

後白河「頼朝は息災か」

時 政「はい、元気でやっております」

小四郎「鎌倉殿は追討の宣旨を出せれたことを大層心を痛められておられます」

後白河「おあぁははは。あれは例の若造に脅されて無理やり…なぁ」

丹後局「九郎殿」

後白河「そう九郎。あはははは。全部あいつのせいなんだよ」

時 政「そうでしたか」

小四郎「(法皇の性格を見切った横顔)されど我が主は疑ごうております。

    法皇様は日の本一の大天狗。言葉を信じて良いものか、と」

後白河「天狗?」

小四郎「父上」

時 政「義経並びに行家を捕らえるため、

    法皇様に少々お力添えをお願せねばなりませぬ。小四郎」

小四郎「ここ畿内をはじめ、西国諸国を我らが治めとうございます。

    一つ一つに国地頭を置き、我らの手で米と兵を集めさせていただきまする。

    これすべて法皇様をお支えするためにございます」

    小四郎が語る間、驚いたような表情で聞いている後白河。

時 政「我が主の願い、

    お聞き届けくださいますよう何卒お願い申し上げまする(座礼)」

    法皇のひどく驚いた顔。

 

その夜、酒を酌み交わしながら、頼朝の脅しが効いたことを喜ぶ北条父子。

そこへ突然九郎が現れ「捕まえたければ捕まえるがいい、逃げるのにも飽きた」と

言う。

時 政「九郎義経は九州へ逃げ落ちたと聞いておる。

    かような所にいるはずがない。偽物であろう」

九 郎「…」

時 政「ニコニコ

 

頼朝との関係が今からでもなんとか修復できないものかと持ちかける九郎だったが、

小四郎から法皇が九郎追討の院宣が出したことを聞かされて驚く。

九 郎「はぁっ…祈るような想いでここへ来てみたが、無駄だったか」

小四郎「申し訳ありません」

九 郎「平家を滅ぼしたのはついこの間ではないか。わたしの何がいけなかった?」

小四郎「九郎殿は人をお信じになりすぎるのです」

時 政「策に長けた者はかえって騙されやすいものだ」

小四郎「こののちはどうされるおつもりですか?」

九 郎「さぁ。奥州にでも帰ろうか」

小四郎「おやめなさい。九郎殿が奥州に入れば、必ずそこに戦の火種が生まれます。

    戦はもう終わりにしましょう」

九 郎「戦のない世で、わたしのような者はどうやって生きて行けばよいのだ」

小四郎「あれだけ平家を振り回したお方です。あれだけの知恵があれば、

    どこでも生きてゆけます」

九 郎「(立ち上がり北条父子に背を向け)御台所に伝えてくれ。

    九郎は御台所の膝の暖かさを生涯忘れない」

小四郎「必ず」

    九郎は部屋から入口へ、時政は後を追いながら

時 政「あなたは仰った。『経験もないのに自信もなかったら何もできぬ』と。

    では自信をつけるには何がいるか。経験でござるよ。👈哲学的だなぁ

    まだまだこれからじゃ」

九 郎「(微笑んで振り返り)さらばだ」雪の中に出て行く。

時 政「まるで平家を滅ぼすためだけに生まれて来られたようなお方じゃなぁ」

小四郎「九郎殿は真っすぐすぎたのです。羨ましいほどに」

                           次回に続く

 

 

平家討伐の英雄・義経の凋落。

大河の主役を張れる人気者、山高ければ谷深しか。

「まるで平家を滅ぼすためだけに生まれて来られたようなお方じゃなぁ」

という時政の言葉がすべてを物語っている。

宿願だった平家を滅ぼして、九郎の命運も尽きてしまったんでしょうかね。

菅田将暉くんの九郎、よかった(あと1回出番あるけど)。

ただのイケメンじゃない傍若無人ぶり、リアリティがありました。

確かめる術はないが、だいぶ実像に近いんじゃないのかな!?

関わらずただ見ているだけなら楽しいヤツだから、早くも九郎義経ロス。

やっぱいなくなったら、つまんないなぁ…。 草草ニコニコ

 

 

電車『鎌倉殿の13人』紀行  

京都府京都市

若宮八幡宮

京都府京都市、若宮八幡宮は、源頼義が創建した神社です。

義経が拠点とした堀川館はこの近くにありました。

左女牛井(さめがい)之跡

館の中にあったと伝わる井戸の近くには、

その場所を示す石碑だけが残されています。

頼朝と対立を深める中、土佐坊昌俊に襲撃された義経。

六条河原

企ては失敗に終わり、土佐坊は六条河原で処刑されました。

義経は身の危険を察し、京を離れます。

 

奈良県吉野町

吉野山

義経と静の悲恋の伝承が残る奈良県吉野山。

義経と別れた静は、山中で捕らわれ、北条時政の館に留め置かれたと、

吾妻鏡に記されています。

都を追われ、行き場を失った義経の旅路は険しいものとなりました。

 

スター「若宮八幡宮」

JR「京都」下車 徒歩15分

 

スター「吉野山」

近鉄「吉野」下車すぐ