ザ・トーナメント | 悲しみの果てに、死者の群れを

悲しみの果てに、死者の群れを

『演歌・オブ・ザ・デッド』(c2005-2012りょんりょん)公式ブログ
映画の感想は、ネタバレ全開です。

※いつものようにネタバレしています。




7年に一度開かれる、殺し屋同士の生き残り合戦の模様を描いた映画です。

うーんとねー、なんていうかねー、アクションはよかったんだけど、纏め方が下手というか。群像劇なのか、誰かを中心に据えて展開させるのかが曖昧になってしまっていて、物語に弾みというか勢いがつかないまま、ダラダラなまま終わっちゃいましたって感じです。深作欣二が撮っていれば、勢いは出たのにと思いながら観ていたのは内緒です。

ロバート・カーライルが、情けない神父を演じているのですが、この人はこういう役が似合うというか(『28週後…』しか他は知らないけど、あれもこういう感じだったし)。この神父役が先ずは一番邪魔というか、必要ないよねってしか思えませんでした。もうずっと、邪魔だよ、早く殺されろよって思っていたのも内緒でお願いします。

殺し屋同士が顔見知りだったりするのはいいとしても、なんか、僕がイメージする殺し屋というよりかは、ギャングって感じ(仲間意識があったりするし)だったんですよね。キャラや殺し方というか必殺技は、それぞれ特色を持たせたりしてるんですが、それが活かせていないというか、結局、銃を持った奴が一番強いのかよっていう流れだったりで、殺し屋同士の戦いにも、心踊らされるものがなかったんですよね。

殺し屋は、トーナメントの主催団体に体に発信機を埋めこまれて、お互いの位置がわかるようになっているのですが、一人の殺し屋がそれを体から抜き出すんですよね。っていうかさ、これが簡単に出来るんなら、他の殺し屋もそうすればいいじゃんっていう、この映画の最大の設定である殺し屋バトルロワイヤルを根底から覆してしまうような展開を前半にするもんやから、余計にのめり込めなかったんです。

前の大会の優勝者も、動きにキレがなくて(のっしのっしっていう感じです)、配偶者アイラブユーな状態で、ほんまにお前は殺し屋かよっていう感じなんですよね。これは全員に言えることですが、殺し屋にしては隙があり過ぎませんか。いえね、現実の殺し屋は、映画のようにスーパーマン的なものではないのかもしれませんが、これは映画だしねぇ。

唯一の見所は、ケリー・フーVSスコット・アドキンスでしょうか。すいません、エンドロールで知るまでは、スコット・アドキンスって気付きませんでした。こいつは結構動けるよなぁと、観ている時は思ってたんですけどね。

それぞれの殺し屋のキャラはよかっただけに、残念さがかなり残る映画でした。指切り男とかさ、キャラは最高だったのになぁ。殺し屋の数を絞って、もっとケリー・フーを中心に据えて展開させた方が、この映画の資産では面白く仕上がったと思います。それか、神父は実はっていう展開や、神父が金を欲しがって優勝をさらっていく展開とかがあればねぇ。