どうも、こんばんは。日下日路と申します。
かつては「占い師」という生業に身を置いていました。
「元」占い師、が正解です。
というのも、世界を塗り替えたあのパンデミックは、人々の心に救いを求める隙間すら与えなかったんですね。
心の支えが必要な時こそ占いの出番かと思いきや、現実はもっと即物的な悲鳴に満ちていた。依頼の電話は沈黙し、私の看板はただの板切れへと成り下がりました。
廃業、という二文字は、呆気ないほど静かに私の元へ舞い降りたのです。
もっとも、それ以前から私の身体は錆びついた時計の如く不調を訴えており、開店休業という名の「緩やかな死」を迎えていたところに、コロナという名の引導を渡されたに過ぎないのですが。
家族との別れという、避けることのできない出来事もありました。
生きるために、運命を占う指先は、ウーバーイーツのハンドルを握る指先へと挿げ替えられました。
以前から文章を書こうとしていましたが、言葉は宙に浮いたまま、どこにも着地できずに消えていく。そんな、色彩を欠いたモノクロームな日々が、案外長く続きました。
昨年は、住処を追われるような引越し、親の入院、こんな状態では波動を読む余裕など微塵もありませんでした。
けれど、ようやく、冬が去り、春の光が頁をめくるように、今年から何かを始めてみようという、微かな熱が戻ってきました。
占いは、タロットと易をやっていました。
やっていたと過去形で語るのは、私の指先から勘が、霧のように霧散してしまったから。
ですから占い師とは名乗りません。
まずは旧知の仲であるカードと仲良くなるところからはじめます。
かつての記憶を書き連ねていくうちに、取り戻せるか否か。
それと、noteでは当時の不思議体験の第一篇を公開しています。
占い師だったころ、鑑定の最中に起きた出来事、その後の顛末など不可思議なことが本当に多かったので、記憶を頼りに書いていきます。
エッセイですが、登場人物は実在の人物なため、プライバシーに配慮しつつ、許諾を得ている場合のみ公開しています。
それでは、よろしくお願いします。