前項(大猫山)東芦見尾根の続き

2016年6月19日(日)曇のち雨

4:45幕営地発

チングルマ、コイワカガミ、ミヤマダイコンソウ、シラネアオイ、オオバキスミレ、ミツバオウレン、シナノキンバイ、雪が消えたところに開花。

急傾斜の雪渓になる。もっと早い時期下方まで長い時期にはアイゼンがあったほうがよかろう。それを突破して低木林を抜けると

5:20猫又山頂稜の大雪田。それが始まる大きな露岩に赤ペイントで○印。

右に回り込んでブナグラ乗越が真下になる見当のところ(夏道分岐点はもちろん厚い根雪の下でわーらん)で上に登って行く。雪田末端からはわずかながら融水。ここ以降注意すれば雪上足跡の溶けた窪みが認められた。

赤谷山~奥大日岳

唐松岳 五龍岳 鹿島槍ヶ岳

白馬朝日岳~唐松岳

釜谷山 毛勝山

頂上直下平らになった雪田上にテント1張り。2名パーティーらしく雪田上に新しい足跡が釜谷山方へ続いていた。短いヌタ場の上が

5:40~6:00猫又山3等三角点2378m

石仏と木製山名表示板

石仏は江戸時代以前のものとは見えない。

東芦見尾根

赤谷山~大日岳

釜谷山、毛勝山が大きく時間はまだ早い。釜谷山まで空身でピストンすればアプローチの不便な毛勝三山にまた来ることはいらなくなる。あの幕営者2人の新しい足跡を追えばいい。が、思いとどまった。5万図上よりジッサイはゴマンと長い。それに老耄でガタが来てる。釜谷山をとれば赤谷山は断念することになり結局まあた馬場島詣での恐れ大で足を洗えないのは同じこと。この山域は本州に残された数少ないおーしろい場所で慌ててかたすことはないし。

6:15ブナグラ乗越が真下に見当がつく所。

カール状の長ーい雪渓降り。所々融水が見られる。

6:35夏道露出点

下ってきた雪渓

唐松岳 五龍岳 鹿島槍ヶ岳

樹林帯になりササや倒木がややうるさい箇所もあるが、路面はずっと見えている。ヒメシャガ

7:15小池 ミネザクラ

ヤグルマソウの葉影からニッコウキスゲ(ユリ科)

赤谷山 剱岳

 

ブナグラ乗越

8:05~8:15ブナグラ乗越

黒部折尾谷側に雪田

後立山連峰が望めて取水口から詰めてきたのなら初見参で感激だろう。

ここで遭遇はその取水口からの登山者4名1組と赤谷山から降ってきた3名1組。

赤谷山方へ進むとすぐ左側に幕営1可能スペース(あまり泊まりたくはない)。ここへ荷物を放り出しほぼ空身で先に。

オオバキスミレ(スミレ科)

ムラサキヤシオ、オオカメノキ、アカモノ、ミネツツジ(花はない)、ウラジロヨウラク、ゴゼンタチバナ、キヌガサソウ、サンカヨウ、コツマトリソウ、マイズルソウ、ヒメシャガ、シラネアオイ、イワカガミ

猫又山

赤谷山

8:55池塘傍に幕営1適地

バイカオウレン(キンポウゲ科)

9:20~9:30雪渓から細い融水の流れ。水を補給し生きかえる。

キヌガサソウ(ユリ科)

すぐ先でまた雪渓があり横断、上に上っていくとはっきりした小沢右岸の道は沢のゴーロそのものに消える。また雪渓になって、ゴーロの沢、雪渓となった後、ハイマツ帯の稜線となります。

毛勝三山

コケモモ、ツガザクラ

11:00~11;20赤谷山2258m

石仏があるというが、頂上部平坦な根雪の下なのだろう。

最南の露岩から剱岳

白萩山、赤ハゲ、白ハゲまでは毛勝三山より低く魅力に欠ける。池ノ平山、小窓ノ頭は毛勝三山を抜くのだが、剣本峰に重なってその付録に見えてしまう。つまり、この先剱本峰まで何が何でも稜線をという気にはならないのだが、幸いである。ハイカーから毛が抜けたレベルではヤバ過ぎる箇所が多い。剱頂上を極めると無人の境地というわけではない。アボーンの恐れを冒してまで逐一辿る必要はあるまい。

見る見るガスが湧き出て剱北方稜線から何からじぇんぶ覆い隠す。赤谷山から南、剱岳までの景観をギリギリで望めたのはえがったね。

戻りにかかり熟年夫婦登山者とすれ違う。

12:30~12:40雪渓、ゴーロの小沢のくり返しの最下部雪渓を横断したところで雨が降り出す。

13:15~13:35ブナグラ乗越

捨て置いた荷物を回収、パッキングし直し、ブナグラ谷を降り始める。最初は大きな岩だけがゴロゴロしている(かすかに赤マークが残る)。この谷は基本こり、ただ、下部に行くほど草木とその生成土壌でいくぶん隠れるだけのこと。タニウツギが多い。

15;00戸倉谷渡渉

ここが下からではこの谷最後の水補給場所

15:15支沢

赤谷山

ヤグルマソウ、オニシモツケその他花はまだだが、オオイタドリ、シシウドなど旺盛に繁茂した高茎草原が続く。

15:30~15:40岩屋

下山夫婦に追い抜かれる。

16:30堰堤

すぐ大ブナグラ谷に続き小ブナグラ谷渡渉で河原を辿ると

16:40延伸中の作業道路

16;45取水口すぐ下大猫山登山口

白萩川にかかる橋でさっき追い越された夫婦のくるまに拾われる。このご夫婦はゲートの鍵を借用できる立場とのこと。おかげで

17:00頃馬場島荘(別項)着

 

 

標準タイム10.5時間のところ12時間。後半は水も食糧もほぼ持たず、ブナグラ乗越~赤谷山往復はほぼ空身というのに。ザックをやたら重く感じるし、下山後両太腿筋肉痛に腰痛。

こんな体たらくで東電小屋~景鶴山~大白沢山~大白沢池、赤牛岳~薬師見平無雪期ピストンやりたいですと?

そりゃ喜劇かいそれとも悲劇かい?

 

 

喜劇にできる可能性ある時期はとっくに過ぎ去った。視ることがなく終わる光景はわが国に限っても北海道本島のサンなど数多ある。こりらにこだわりミシシッピ本州の奥山でアボーンすることもあるまい。

 

 

釜谷山・毛勝山・猫又山 3ページ

1991年5月12日猫又谷からピストン

白ハゲ・赤ハゲ・白萩山・赤谷山 4ページ

1994年5月7日白萩川を大窓に詰め上がり、北上してじぇんぶ片付けブナグラ乗越から降って白萩川合流点まで。

いずれも一部でも登山道開設前故残雪期遂行だろう。どうということない書きぶりだが、特に後者、ハイカーから毛が抜けた分際でそっくりまねっこできるなどと考えてはならないだろう。