旅行ガイド本にはご当地グルメの項があるのがお決まり。せっかく行くんだものご当地の名物は食べて帰らなくちゃ。それが京都だと一つには「京料理」。あしらい、器の隅々にまで気を配った繊細な和食。

一方室町時代という名のもとになったあたりをブラつくと店先にウン千万円の呉服や帯をディスプレイした由緒ありげな大店があります。ここの旦さんの家族がああゆう京料理を食ってはるんやろな。たぶんちゃいまっせ。朝はトースト、京都市民は意外に新しもん好きはJR京都駅舎や京都タワー見たらわかるでしょ、余所者はいきなりちょい幻滅ですけど。もうちょいやりようおへん? 夕はおばんざいというとまたまた何か気ぃはるもんかとおーうかもしれんがただの和風お惣菜でんがな。豆腐と厚揚げ炊いたんとかワシらと変りない。大店の主人いうたかてかしわ(鶏)の照焼とか1品多くつくだけやろ。昼でっか、お茶漬けさらさら。ほんのたまーに外食してラーメン。そのラーメンやが、京都駅の東、高倉通に2軒並んでるとこのなんか両方とも醤油で真っ黒け。見かけほど濃くありまへんゆうけどウソこくでね!おまいらが首都だかなんだかしらんけど今出来の関東のど田舎やん思てる東京の中華そばのほうがよっぽど澄んだあっさりしたもんやわ。

要約すると「京のぶぶ漬」ぶぶ漬けとはお茶漬けのこと。京都人は外見にはカネかけても内緒は始末。見栄晴君で他人にわーらんとこではしぶちん。「京の着倒れ」ゆう言葉もある。

そやさかいお茶漬けのお伴漬物は必需品。

 

 

菜の花漬け、紫葉漬け、千枚漬け、すぐき漬けは製造プロセスまで掲載。その他3種。

関東以南で漬け物の種類数で東北に対抗できるのは京都だけ。盆地で冬底冷えするゆうたかて雪に閉ざされるわけではない。ほうれん草、白菜、大根じぇんぶ畑から抜いてこれる。同じ近畿の盆地で奈良に漬け物は奈良漬があるだけ。内緒の食では安く様々なニュアンスを楽しみたいいう京の見栄晴君の心ばえがのぞいていやしません?もっとも今日日はすぐきや千枚漬やらきっぱり安いとはいえんようになったものもあるけんど。そんなん歳暮用だけ。

佃煮も重要なお茶漬けのパートナー。

佃煮は名から見てもお江戸起源だろう。江戸前は海で小魚も豊富に獲れた。京はそうは烏賊のき○たまがいるぐらいなので材料は基本乾燥昆布。鰹節と並んで和食の旨味を支えるだけに京都人の味覚にもあったのだろう。昆布と周りのサンに生えているサンショウの葉と一緒に佃煮にしたのが鞍馬名物木の芽煮。鞍馬寺の門前には山椒を使った佃煮を商う店が並んでいる。なかで山門に近い渡辺木の芽煮本舗は創業百年。

鞍馬寺は京の北の果ての観光名所だが、三条、四条から電車だーらバスよりお手軽。京の北辺を守る毘沙門天立像なども見られ行くといい。けれど2度はねぇ、建物には重文指定はなかったような。となると当店の佃煮を味わえるのも一度限り?何事も便利過ぎるくらいの現代でそりはにーだろ。京都駅新幹線改札を入ると老舗コーナーがありその一角を占めている。なお、調べていないが、お取り寄せもきっとできるにちげぇねえ。

いろいろあるなか購入はちりめん茶漬756円(税込)と山椒昆布648円(税込)。いずれも内容量、原材料表示なし。

山椒昆布756円(税込)2024年 120g

ちりめん茶漬は佃煮だーら砂糖でねっとりして塊状になっている。ワシの好みはちりめんじゃこがパラパラのやつ。材料ちりめんと山椒の実で同じでもちょい製法が違うのか。山椒ちりめんとかじゃこ山椒ゆう他店のものがワシの食ったものかもね。

山椒昆布は木の芽煮が山椒の葉に対し実を使用。こっちはイメージどおり。

 

 

巻末に有名料亭の昔ながらの一品。

「瓢亭」瓢亭卵「たん熊」丸鍋「中村楼」豆腐の田楽「平八茶屋」麦めしとろろ「平野家」いも棒

「美山荘」にしん漬け。

材料に鮮魚(貝)がない。珍しか思えるのはスッポンだけ。彩り地味で現代の「京料理」とはずいぶん違う。なにがなんでも京都へ行って食ってみたいというもんがありまっか?

その他の京都ブランドも差があるとしても超越的とはいえないもんばーりとおーう。