目指す姿 - 11 | チイサナシアワセガイイ

チイサナシアワセガイイ

テーマは“ありのまま”

この日も健太は仕事だった。

 


会場での待ち合わせ。

私は先に席に着いていた。

 



いつ渡そうか。

 

なんて言おうか。


そんなことばかりが頭の中を占領して。



まもなく始まるというときに健太が来た。


チャゲ&飛鳥のコンサート。


なかなか来られるものではない。

 

 


けど、
あまり覚えていない。


上の空での2時間。


帰りの地下鉄でも切り出せない。



降りる駅は一緒。

 

出口は逆。

 



これだ!!




電車を降りて、すぐに渡した。



“俺はプレゼントは用意してないけど。”


別れてください、

 

とだけ言ったような気がする。

 


手紙を入れたような入れてないような・・・。




気付いたときはアパート。


なんであんなに泣いてたんだろう?



寂しいとか、後悔とかじゃない。


言葉には表せない虚しさというか。



これまで私は何をしてきたんだろう?


気が抜けたような感じがした。




電話。

健太だ。



“マフラーありがとう。泣いてんの?”



からかうように言われて悔しくて。


泣けてまともに話はしていない。

 


でも、健太にとっては、
私が本当に別れたがっているとは

思っていないようだった。


だから、

 


“何か言いたいことはないの?”

 


とか、嫌な言い方をしたり。


とにかく、
健太から離れることが

そのときの私の全てだった。