寝る姿勢で一番多いのは仰向けらしい。
仰向けがだいたい半数を占め、残りを右向きと左向きが分け合い、ごく一部がうつ伏せで寝るとのことだ。
うつ伏せで寝る人がいると初めて知った時は驚いた。
しばらくしてうちの父親がうつ伏せで寝てるのを見た時はさらに驚いた。
うつ伏せ寝は遺伝せず、おれは右を向いて寝ている。
右鼻に難があるので、右を下にしないと息苦しくなるからだ。
だけどしばらく寝付けないと、寝返りをうって左向きになる。
それで眠れることもあるが、なお寝付けないと今度は仰向けになり、寝れんなぁとため息をつく。
昨晩の夢の中、どこにいたのか、何をしていたのかは忘れてしまったが、いきなり息苦しくなった。
おれは必死に、これまた忘れてしまったが、近くにいた誰かに「息ができない」と訴えていた。
そこで目が覚め、反射的に左を向いた。
(右側にプーさんのぬいぐるみがいたから)
呼吸を整えながら考える。
息苦しかったのは夢の中だけの出来事じゃない。
実際に息苦しかった。
現実の息苦しさが夢に影響していた。
どうして息苦しくなった?
睡眠時無呼吸症候群というやつだろうか。
それだったら嫌だなー怖いなーと思ってた時、ふと気付いた。
眠りに入る時は仰向けで、今起きた時も仰向けだったぞ、と。
もしやと思い、仰向けになり、布団を肩までかける。
これだ。
布団の重みが首に乗っかっていたんだ。
しかし次に思う。
そんなこと言ったら仰向けの人みんな息苦しくない?
おれの掛けてる布団は全然重くないし、むしろ使い古して薄くなってるから平均以下くらいなんじゃないかとすら思う。
いや、古くなってヘタレてるから首に重みがかかるのか?
今までこんな風に息苦しくなって起きることはなかったので、そんなに仰向けで寝なかったんだろうかと考えたけど、
そうだ、ずっと昔から仰向けで寝ないようにしてた。
その理由は、金縛りにあった時、仰向けが一番怖そうだから。
金縛りだけは絶対になりたくない。