クルルが事故に遭い、


長い1日が終わり



翌日



目を真っ赤に腫らした私たち夫婦は

子供たちを実家に預けて


昨日運ばれた病院に行きました。







病院に着くと、院長先生が
紹介状を作って待っていてくれました。



院長先生は
夜通しクルルの様子を見てくれていたらしく


『何とか一命は取り留めました。
でも、これからが大事ですので
頑張りましょう』


と励ましてくれました。




そして、クルルを引き取り、

受付で会計を済ませようとした時、



院長先生が

『会計なんていつでもいいですから、
とにかく今はクルルちゃんの命を守る事が
大切ですから、
どうぞそのまま行ってください』

と言ってくれました。


クルルのかかりつけ医では無いため
初めて行った病院でしたが、

とても良い先生でしたキラキラ





私たちはクルルを車に乗せ、

紹介先の大きい病院へ連れて行きました。




久しぶりに
パパとママと3人きりの車内。

クルルも嬉しいのか、

何だか昨日より元気があるように感じました




病院に着くと、
その病院の大きさにびっくりしました。



獣医も30名くらい在籍していて、

診察室もたくさんありました。



受付を済ませて、
しばらく待合室で待っていると、



クルルが呼ばれました。






若い女性獣医師さんでした。



先生からは、


やはりアゴの状態が良くないらしく、

『今後は口から食べる事が
できないかもしれません。

とりあえず、今日は鼻からチューブで
栄養を流すように(経管栄養)しますが、
今後は、胃に穴を開けてそこから栄養を
入れていく(胃瘻)可能性があります。

明日、うちの整形外科の医師が
診察しますので、そこで肋骨と右後ろ足と
アゴの骨折部位を
診てもらうようにしましょう。

そして、左の眼球ですが、
失明していて、見えるようになることは
ありません。

そして、右の顔面神経が麻痺しているので
右目はうっすら見えているかどうかですが、
麻痺しているせいで瞬きができません。

聴覚や嗅覚は保たれてますが、
顔面神経麻痺で顔の右半分は動かす事が
できません。

そして、左の眼球は
感染症のリスクもあるので
眼球摘出する方向で動いて行きます。』





と、丁寧に説明してくれましたが、
次々と出てくる問題に
言葉を失いました。



先生から

『お父さん、お母さんの方から
何か希望はありますか?』

と言われたので、



私は
「とにかく、命最優先で助けてください。
そして、本人はアレルギー体質で、
治療用のドッグフードしか食べてはいけない
体質なんです。

おやつも食べられないうえに、
一生1種類のご飯しか食べられないので
食べる事が何よりの幸福なんです。

だからなんとか、口から食べられるように
して欲しいです。」

と、答えました。


そして、
【クルル】

という名前は、

クリクリっとした目
クルクルっと巻いたしっぽ

から由来してます。


そんなチャームポイントの目が
摘出されてしまう事がショックでした、、、





昨日の病院の先生は
眼球を中に入れることが
出来ると言っていたので
その点に関しても先生に聞いてみると


『眼球を入れることは可能です。
ただ、感染症のリスクもあるので、
こまめに目薬などをする必要がありますし
一度飛び出た眼球なので、
なんかしらの拍子に再び眼球が
飛び出ることもあります。

それでもいいのであれば
整復の方向で手術をして、
その後の経過を眼科の先生に診てもらって
判断しましょう』

と言ってくれました。



そして、

クルルはこのまま入院となり、

早速その日に1回目の手術が
執り行われることになりました。


まず、口からご飯が食べられないので、
鼻から栄養を入れる経管栄養の管を
頭部に縫い付けること、

眼球を中に入れて、
上下のまぶたを縫い付けること、

折れた右の後ろ足をシーネで固定すること

を全身麻酔でやるとのことでした。





手術が始まる前に
同意書を書くことになりましたが、

同意書の内容をみると

【手術により命を落とすことになっても
同意します】

のようなことが書いてあって、



正直

(こんなのにサインできないよ、、、)

と、思いましたが、



サインしないと手術してもらえず、
結局命を落とすことになるため、


進まない手を動かして
同意書にサインをしました。







こうして、
クルルの手術が始まりました。










つづく