あきらめたくない支援者をしっかりサポート
30年以上 描画療法に関わってきた経験から 今、伝えたい
【回想法】 を使った本物の会話で
選ばれる支援者になる方法をお伝えする
公認心理師の赤堀富子です。
デイサービスの高齢者とのお付き合いを16年間続けています。
昨年から、由緒あるお寺の大広間で、ぬり絵サロンを始めて1年がたちました。
デイサービスセンターでの絵画療法としてのぬり絵では、
少しでも長く元気にアクティビティを楽しんでいただくことに注力します。
ですので、注意力が落ちてきたり、おしゃべりを楽しまれなくなった方々には、
下絵の画用紙を小さくしたり、図柄をシンプルにまとめたり、
話の内容を施設のスタッフさんからお聞きして予習をしたりという工夫をしています。
親しくお名前をお呼びして、昔ばなしをしたり、お隣に座らせていただき、
私も色鉛筆を持ち、交互に塗ってみたり。距離を縮めてのアクティビティになります。
地域のお寺で始めたぬり絵サロンでのメンバーさんたちは、とてもお元気です。
「クルレ回想法ぬり絵」を存分に楽しんでくださっています。
テーマや、下絵を作るときの工夫をしっかりと受け止めてくださいます。
説明そのものにも「勉強になるわー」とか、
「知らなかったことを、新しく仕入れることができてうれしい。」
という反応を返してくださいます。
まさに回想法によるアクティビティであると感じることが出来ます。
今、この健康な状態を一日でも長く継続してくださるように願っています。
ただ、このような雰囲気の中で、もしご本人が、
最近意欲が無くなった、
うまくぬれない、
行くのが億劫になった
とかの反応が出てきたときのことを想像しますと、
今から考えておかないといけないなあと思っています。
今のままだと、「しんどくなったのでもう遠慮しときます。」
と言われるのではないかと思うのです。
その時に、お誘いしましょうか?とか、
待ち合わせて一緒にきましょうよ、とか
もし、お隣に座った方に声をかけて頂けたら、どんなに素敵なことでしょう。
住んでいる街も離れているけれど、最寄りの駅で待ち合わせて元気な顔に会えたら
もう少し元気でいようという意欲に変わらないでしょうか。
今、私たちの周りでは
おせっかいには煩わされないけれど、挨拶以上の付き合いもない、
醤油の貸し借りもできなくなった、
お隣の孫さんの名前も知らない、
そんな方が増えていませんか。
地域の中でのご近所付き合いや関係が希薄になってきている昨今、
つながりができたサロンでの支え合いをどのように考えるのがよいか。
ただぬり絵をして、おしゃべりするだけなのに、居場所となり、
お友だちになったこんな場所が
偶然始まり、毎回メンバーが少しずつ入れ替わりながらも
1年が経ちました。
続けていくための方法を考えていきたいと思います。