日曜日、雨が降っていましたが、姫路市立動物園へカラカルのクルンに会いに行ってきました。

 

14時半に到着。いつもの箱に入っていないな、と思って探すと、2階の人工芝生の上に座っていました。

 

いまだかつてないほど強そうな顔をしていました。つり目が急な角度になっています。雨のせいで顔の毛並みが変わるのでしょうか。瞳の色も青~グリーン系の濃い謎めいた色。視線を合わせているとクルンは目をギュッとつぶるので、こちらも目をつぶります。

 

園内を歩いていると、姫路城のフォトスポットに仲間が増えていました。中央のしろまるひめは以前からいましたが、周りに動物たちの看板が。

 

15時台、クルンは動き出します。耳の房毛は長く、クルンっとカーブしていて、先端が耳の中に入りそうな勢いです。1階の特大丸太で爪とぎをしているところも見られました。

 

2階の空中廊下にいるクルンさん。雨の景色と一体化しています。ワイルド味がある。

 

クルンさんには、「カラカルの威厳」を強く感じます。

 

カラカルは海外ではペットとして飼われている場所もあり、Big FloppaことGoshaもロシアのモスクワ郊外の家庭で飼われているカラカルです。日本では人間の身体や財産に害を与えかねない「特定動物」に指定されていて、新たにペットとして飼うことはできません。

 

「犬や猫、その他家畜と違って人間の言うことを聞かないから飼えない」という理屈は子供でも理解できます。が、なんというか、クルンさんを見上げていると、「そもそも人間の考えが及ばないような理屈・理論の中で生きている」んだな、と感じ、そこに神聖ささえ感じてしまうのです。

 

人間にとっては何も起こっていない状況なのに黒い耳をくるくる回していたり、人間の気にしない雑音に反応して警戒したり、逆に人間にとってうるさい音をまったく気にも留めていない様子だったり。

 

そして今回、いつになくいかつい顔になっているのも謎です。Xのタイムラインに上がっていた、他の動物ファンが撮影した最近の写真を見ると、クルンは「高僧のような顔」になってきたな、という印象でした。快や苦に動じず、この世を超越しつつも自然の中に溶け込んでいるような。クルンの人生ならぬ猫生が、次のフェーズに入ったのでしょうか。思えば、この日は一度も威嚇の「シャーッ!」を食らっていないのでした。

 

といっても、決して老けたわけではありません。

 

クルンの両親であるカール氏もカーラさんも、「あれっ、お年を召したな……」と思ったらもう次回はありませんでした。野生動物というのはそういうものなのかもしれません。あくまでファンの願望ですが、クルンさんにはどうか彼ら以上に長生きしてほしいです。